吉田さんの命日に、カラオケ「tanto]

 

  

 電車のクッションが良くなっていても、長時間、鈍行に乗っていると、お尻が痛くなる。温泉めぐりで、身体も疲れて、吉田さんの奥さんからのお誘い、気になっていたけれど、次の機会に、とお断りした。

 吉田さんの娘さんが、東京から個展を見に来られる。フランスから、吉田さんが息子のようにかわいがっておられた人も来られるので、お会いしたいと思っていた。

  今日は,吉田さんの命日だった、と思い出した。娘さんが来られているホテルに、お供えだけでも届けたいと思い、ホテルに向かった。

 その夜、ホテルに戻り、道頓堀にお好み焼きを食べに行くと聞いていたから。

開場にはもう誰もおられないだろう。メーるを入れると、石橋で食事をすることになって、そこに来て、と言われた。

 石橋駅に、吉田さんの甥御さんが、迎えに来てくださって、案内されたのは、賑やかな居酒屋。

 昼間の石橋も商店街が賑わいを見せているが、夜開く店が多く、明るくて、賑やか。

阪大があるから、だそう。

神戸大のある、六甲も、駅のあたりは,飲み屋や食べ物屋があるけれど、石橋とは大違いで、わずかで,閑散としていた。

 店内は、満員で、お料理を沢山注文してくださって、どれも量があるし、美味しい。

 疲れがすっかり、どこかに飛んでしまって、食後は、カラオケまで。

 

 カラオケは、何年ぶり。

  吉田さんの絵画が、幾つかかけてあって、ここは、吉田さん達は常連のお店。

昼は、1000円、夜は、2500円で、好きな飲み物、食べ物も出て,歌い放題。

 常連さんは、皆お友達になって、ママさんは美人で,優しくて、採算度外視で、人生、楽しむ為に,健康維持の為に、ストレス解消になって、貴重な店だなあ、と感心した。

  吉田さんの甥御さんは、プロの実力で、凄く上手。フランス語で、枯れ葉を歌われた,フランスからのお客様の美しいフランス語、吉田さんの奥様は、カラオケ教室に通っておられ、歌うことが大好き。

  吉田さんも、ひょうきんな所があって、人が集う場所では、天真爛漫になって、楽しむことを大事にされていたけれど、血筋だな、と。

 大阪人は、のりが良い。遊びがないとやってられない。馬鹿になって楽しむことが好きなのだ。それでいて、値打ちのあるお金は出さない。安くて、目一杯楽しませてくれて、美味しいものが食べたい。そんな店の資格十二分の店だった。

 吉田さんの命日に、そのあたりで、吉田さんも好きなお酒を飲みに飲んで、気炎を上げておられるかもしれない。

 私も,ごしょうばんにあずかって、タント、ご馳走になりまして、ございます。

 タントは、沢山、という意味、大阪弁で言うたら、「おおきに、とか、ぎょうさんに」