亡くなられた方の暮らしが

 

  

   

パリで、吉田さんが、息子のように可愛がっておられた方のお父様がお亡くなりになったとの知らせを頂いた。

 吉田さんは、言われていた。

 お父様は、1人で日本に暮らしている。私のことは本当に良く面倒を見てくれて、有り がたいけれど、お父さんのことを考えると、寂しいだろうと思う。

その方が、地方の大学に赴任されてからは、パリに来られるのを心待ちに待っておられて、ご自分の寂しさから、尚更に、その方のお父様のお心を思っておられたのでしょう。

 

 異国に生活の基盤が出来ると、仕事の関係で、そうそうは帰って来られないけれど、

 その人は、吉田さんの所にも、時間を作っては来られていて、お父様とは、電話で毎日会話をされ、晩年の何年間か、良く日本にも帰って来られて、親孝行だなあ、私は感心していた。なかなか出来ることではない。

友人の差し入れ

 伺うと、立派な日本建築で、お部屋が広く、素敵なお家で、一人で生活されていたとは

到底思えないほどに、庭も、中も行き届いていて、愛情の深い、優しい人の、心の豊かな人柄が、一面を覆っている。

 吉田さんは、パリのお父さんだったのだと、お二人に共通するものを感じた。

 吉田さんのお宅に伺うと、いつも暖かく雰囲気につつまれて、のんびりさせていただいた。心を開いて、誰でも迎えてくださった、それと同じ空気、同じもてなしをしていただいて、懐かしい感じが一杯でした。

  お土産に、素敵なワインまでいただいちゃって、ピアノの上にある、吉田さんの写真の側にお供えっぽく、置かせていただきました。

  

  池田の人は、文人や、遊び心と余裕のある、生活をしてきた人

 が多いのかな、古典や芸能を愛し、勉強好きの人が多いのかな、と思ったり。

 庭の盆栽に、紅梅が小さな蕾の花を咲かせていました。