映画「レールウェーズ2」

   

朝、家を出て、バス停まで来ると、シルバーの輝きを見せる、飛行船のような雲に引きつけられた。

 寒い。ニューヨークでは、こんなだったか。いえ、もっともっと。ものすごい寒さだった。雲がどうかなんて、悠長に眺めていること出来なかった。

 去年から、「ラーイル、ウェイズ」を見たいという友人がいて、神戸でないと見られないと思っていたら、燈台もと暮らし、大阪駅の北ウィングに、ステーションシネマ、という複合映画施設が出来ていて、そこで上映していることを知った。

 ルクアの11階にある。ルクアを見るのも、初めて。映画館で、チケットに変えてもらって、エスカレーターで降りながら、きょろきょろ。

 ステーションの上で、食事しようと思ったが、いつものように、列を作って松待つ人が出来ているので、諦めて、阪神に行く。

 このビルが出来たので、大丸デパートの食堂街も混んでいて、阪神まで行くようにしている。

 胃の調子が悪くて、おうどんくらいが。思うことは一緒?なのか、美みゅうの前で、待っている人の列。

 諦めて、すし萬のお寿司か、と考えたけど、時間もそれほど多くないし、喫茶コーナーに載っているメニューのサンドイッチに。

  友人は、朝から、ご飯食で、和食ばかり作っている人だから、外に出ると、イタリアンだとか、パン食を食べたい。

 私は、朝2杯もコーヒーを飲んできたので、紅茶を頼んだ。いつもコーヒー党の私だけど、最近は、紅茶も好きになって、コペンハーゲンの紅茶椀で、優雅なお茶タイムを楽しんでいる。

 先日、彼女の家に、沢山コペンハーゲンのカップが、ガラスの陳列の中に飾っていた。

  飾ってあるだけで、使わないのは、食器の意味がない、と偉そうに言っている私も、かつては、貧乏性の勿体ながり屋で、見て楽しむばかり。客がある時だけ、使っていた。

 大事に取って、着なかった洋服などは、悲惨。重くて、形が古くて、着れたものではなくなって、捨てるにも、勿体なくて。

 今しかないのだ。明日のことなど、どうなるかわからないのに、後生大事に、飾っておくだけ、洋服ダンスにつっておくだけでは、宝の持ち腐れなのだ。

  吉田さんのキッチンの棚には、アンティークのワイングラスがあった。

 好きなのがあれば、持って帰りなさい、と言われたけれど、そんなの、とってももらえないと遠慮した。

 随分あったけど、皆が来て、出すと割れるから、これしかなくなった、とおっしゃっていた。実は私も、出していただいた、グラスをテーブルで、割ってしまったことがある。

 その頃は、アンティークグラスの知識もなにもなかったのだけど、恐縮する私に、

 吉田さんは、「ガラスは割れるのがガラスだから、気にすることない。しょっちゅうだから。」と。

 後で、それらが、骨董市で、見つけた優れものばかりであったことを知ったわけで。

 今にして思えば、吉田さんに取っても、訪れて、そういうグラスを出してもらった人達にも、グラス冥利につきる集いを演出し、集う人々をより楽しいものにしたことだろう。

 

 所で、映画「レーイルウェイズ2」

http://www.railways2.jp/

 気持ちを素直に表せない、意地の張り合いをしている夫婦、

「気に入らなければ、出て行け。」という男。父もそうだった。吉田さんもそのよう。友人の主人も、そう。

 本当は、女房がいなければ、どうにももうにもやっていけない男達のプライド。

 この映画では、そういう男が、奥さんと向き合って、少しづつ理解し、自分が本当にやりたかったことにも、初めからやり直すことで、充実した生き方を二人で、し直して行くという話。

 涙が出て、仕方がない。映画館の中に、中年、初老の夫婦が、あそこに、ここに。

映画見て、お互いに、考え方変えて行くかな。映画は映画、現実は現実でしょうか。