ギメ美術館

 

 

ギメ美術館

 朝、ポテトをゆがいて、ポテトと卵のサラダを作った。赤い皮のジャガイモをつかったら、柔らかくて、ベトベトしたサラダになってしまった。量が多いので、吉田さんに助けてもらおうと電話した。「これを渡して、すぐにでかけますから。」と。

 吉田さんは、昨日いつものようにお墓参りに行くと、入り口が閉まっていたので、今から行ってくるとのこと。1時過ぎに伺うことにした。その間に、サラダだけではと思い、卵とシャンピニオンとトマトを使って、スペイン風のオムレツを作った。こちらは、少々焦げ気味だが、チーズのせいで味は美味しい。

 

 

行くと、吉田さんは、サラダを作っていて、買ってきたばかりの魚を焼いてくださった。マコンヴィラージュの白ワインを開けて、これが一番飲みやすくて好きなのだと。マコンヴィラージュは、中国の大スーパーマーケットでも売っていたが、安いワインではない。9ユーロくらいしていた。魚料理に良く合う。日曜日以来、2日間、来客があり、夜も出かけておられたという。

 食事をするだけで、足早に失礼して、ギメ美術館に行った。やはり雨だった。ギメ美術館は、特別展がなく3月中、無料になっている。オーディオガイドも無料だ。日本語で説明を聞きながら、仏教の足跡をたどって行く。この美術館は、高官だったギメが、仏教に惹かれ、その作品や書物を収集したことに始まった。国立の所蔵物もここに入り、新しく入ってきたものなどでも所蔵は増え続けている。

  

 インドからタイ、ベトナムインドシナ、中国、チベット、韓国、日本への伝来の順を追って見ることが出来るように、2001年に改造され、新しくなった。

以前にここを訪れたのは、それよりもずっと以前の事だった。

 タイの仏教美術が素晴らしい。顔の表情が柔和で、人間らしく、体型が優美だ。

 

ベトナムの陶器も良いなあ、と思う。チベット曼荼羅、インドの宝石、

説明を聞いてゆっくり見ていると、あっという間に時間が過ぎて、余り時間がなさそうだ。 3階にある日本のコーナーに行った。そこで発見した、日本美術の、潔さとおおらかさに気持ちが落ち着く。日本では、一期一会を大切にするが、それが美術に顕著に表れていた。大胆な構図、いびつな形の茶碗、筆使いの潔さ、型にとらわれないおおらかさが、どの作品にも共通してみて取れる。

 

  

そこから読み取れるものがあった。コメディーフランセーズのように、同じ作品が何十年も続かないわけが。一回限りとかと特別の公演が好きなのだ。 年末の顔見せから正月歌舞伎は、券を取るのが難しいほどの盛況ぶり。一日限りのコンサートにもどっと押し寄せる。高価なオペラ公演や、名演奏家、名指揮者などの公演がくると、早くから完売する。

 海外の絵画展覧会は、人の山で見えないほどだが、常設のコーナーは閑散としている。普段の生活の中で、圧迫感や束縛感を感じないので、特別展でないと興味を示さない。、 江戸時代に商人が着物の裏地に凝ったりした。浮世絵などは特別のものではなく、庶民に浸透していた。茶碗をくるむのに使われていた。ゆがんだ茶碗、黒塗りの茶碗など、一回限りの出来映えのもの、偶然の産物に驚嘆した。そういうものに価値を置いた。

 誰でもピカソ、日本はピカソにあふれている。大阪は至る所、バロックだ。