いよいよ、身体の節々が痛くなってきた。リュックで肩が凝っている。
夜中何度か目覚める。
グッドホテルに移動して、まだチェックインは出来ないと言われたので、荷物を預けて,3時まで,時間があるので、アウトレットが3軒ほどある中で、安さに驚き,と書いている店に行った。
あまり良い物は置いていない。デパートの方が,バーゲンしているのでは?
アウトレットは、高速道路の近で、私がいたホテルに近かった。
お昼を食べようと思い、ガイドブックに載っていた、パンケーキ抜群という店に行くつもりで、ケーブルに載った。
パウエルのケーブル乗り場で待っていたら, いつ乗れるかわからないほど並んで待っているので、ユニオンまで上がって,一駅向こうで、飛び乗るのが秘訣。
外のバーにつかまって、立って乗ることも、ケーブルの醍醐味を味える。
途中まで来て、道を間違えていることに気づいて、降りた。
引き返すケーブルに飛び乗ったのはいいけど、一番前で、運転手が,リュックを手で持つようにというので、手で抱えて,片手で棒を持ち、リュックの間からガイドブックを持ち、」後ろで座って居る男の人が大きくて,足がつかえて、不安定な状態で、前のめりになるので、吹き飛ばされないかと必死。急な坂道を下る時はちょっと怖かった。デモ、旨く運転していて、それほど距離が出ないようになっている。
一日券を買うと,ケーブルも入っているので、6ドル払うよりも,一日券を買った方が良い。
私は以前に来た時に、7日券を持っている人がいて、それで、今度サンフランシスコに来る時は、この7日券を買おうと思っていた。
7日間もあると思っていたけど、なにも出来ないまま過ぎる。
結局、パンケーキの店ではいけず、シーフードの店も諦めて、メーシーズの側にある、サンドイッチとスープが売りの,店に入った。
トイレがなくて、が洗えない。テレビで、とにかく石鹸で手を洗うことが一番だとエボラ患者を診ていた医者が言っていた。
アルコールの消毒が出来る小瓶を持っていたので、それで手を消毒してから、サンドイッチを食べた。
美味しそうな,オニオンスープ、トマトスープなど。
私はクラムチャウダーとカリフォルニアサンド。
その辺のフィッシャーマンズで不味いクラムチャウダーに出会うよりは、ずっと美味しい。野菜ばばかりのカリフォルニアサンドもとても美味しい。半分サイズとスープで税込み9ドル。こういう所を利用している人が多い。自分で注文して、空いた席で食べるので、チップはいらない。
昼真だというのに、6ストリートで、治安がとても悪そうな場所があって、そこの群がっている人達の所に警官がいて、黒人の女性が手錠をかけられてわめいていた。
そこだけ酷い、という感じ。
で、ホテルでチェックインしてから、出かける時に受付で、このあたり,遅くなって帰って来ても大丈夫か、と聞くと、
「浮浪者だから。普通に歩けば。携帯で危ない時は電話すれば良い。」とか。
あたり暗くなっていた。
バンドの音が聞こえて,広場で、出店が出ているので、そちらに。
シビックセンターの広場から,公園まで少しだけ,食べ物の車が出ていて,ワインを飲んでいる人や,食事を買って、野外で食べている人が、舞台のジャズを聴いている。
そこから、オペラハウスにいってみようと歩いた。明日の夜行きたいと思って。
シンフォニーホールにライトが灯って,明るい。中に人が歩いている。
今夜はコンサートがあるのかも。
チケット売り場で,開場を待っている人達がいる。
チケット売り場で、今夜はパーフォーマンスがあるのかと聞いたラ、教えてくれたのだけど、よくわからない。
年間スケジュールを見ながら探したら、MTTとサンフランシスコ交響楽団のシーズン公演で、バイオリニストのギル、シャハムが共演している。
音楽には疎いので、わからないが、気になって仕方がない。
夜道を考えると、やめておこうかと一旦は出て来たものの、やはり、機会だから、と引き返した。
チケットは39ドルだと言われた。どの席かもわからない。
それに、8時にはまだ充分時間がある。
待っていた人達は、プレ演奏の教育システムの講義を聴くためだった。
私にも、始まっているから、とせかす。
チケットを出すと,レクチャーは、一階で、席は上らしい。
ピアノを弾きながら,音楽の説明をしている。あまりよくわからない。
30分の講義が終わった。
ワインを飲む人、サラダを食べている人等。お腹が空いている。終わるまで我慢しよう。
私の席は、2階の最も上から、少し下がった所だった。
2番目の席なので、前の大男のカップルだけど、廊下を挟んで橋なので,よく見えた。
最初は,リストの「メフィスト」12分ほどの演奏。
次が、バイオリン奏者との共演で、モーツアルトの5番「トルキシュ」
最後は長くて、ラベルの「ダフネスとクロエ」
素晴らしい音とハーモニー、変化に飛んで、歌い上げるような音の作り方で、オーケストラの息はぴったり。凄いな、と感心した。
バイオリンも、繊細でテクニックが高度で、この人も凄い。笑い顔が素敵で、感じの良い。
MTTとサンフランシスコオーケストラの20周年のコンサートで、3日間続く。その間の金曜日だった。
ダフネスとクロエは、私が神戸大に在籍中、発表に撰んだ作品で、教室の前で,震えながら研究報告をしたもので、縁を感じる。
大合唱団とのコラボで、のどかな情景から、変化に富んだ,素晴らしい音のマジック。
観客は熱狂して、スタンディング。
開場は,音響効果が素晴らしく、わずかな音でも良く聞こえる。
偶然に、サンフランシスコの人達が愛する、コンダクターとオーケストラのコンサートに参加出来て,ラッキーだった。
コンダクターは、とてもアクティブで、茶目っ気があって、ハンサムでスマートな人。
指揮が、また素晴らしい。オーケストラと一体となって、開場に音楽が溢れだし、広がり、流れ、集約して、静まって、風がそよぎ、唸り、小鳥達が遮り, ダイナミックな激情的な音楽に、コーラスが呼応していく。
指揮者は、名プロデューサーでもあり、音楽をあらゆる人人に届けている。
ティルソン、トーマスという名で世界中から絶賛を浴びている指揮者だった。
素晴らしい音楽を生み出しているのは、徹底したリハーサルだとか。