フリックコレクション

http://www.frick.org/  フリックコレクション

 ホテルは朝食付き。コンチネンタルの簡単なものだと期待していなかった。

  果物、ヨーグルト、ジュースに,卵、パンはべーグル、トースト、クロワッサンの、甘いお菓子パンなどあって、結構サービスが良い。

 カリフォルニアのホテルで、ワッフルがあったのを思い出した。

  バナナとヨーグルト、トーストとクロワッサンを食べ,オレンジジュースとコーヒー、それにわずかだけ、スクランブルエッグを食べた。お腹がはち切れそう。ハンバーグのようなものもあった。ゆで卵も。

アメリカ人は、甘い物が好きだ。シリアスにミルクをかけて食べ終わると,果物、甘いパン、卵に肉も盛り上げて食べている。値打ちあるなあ、と思う。大抵はカップルか、家族連れだ。

 食後、日曜日だということで、フリック美術館に出かけた。

最寄りの地下鉄で、わかったのだけど、週末は、Fの電車が、次のシャクソンハイツまで行き、そこから折り返して、マンハッタンに行くようになっていた。昨日はフォレストヒルまで行ってしまったけれど、これで良かったのだ。

 週末とか、夜間とか、地下鉄の工事があルのか、サービスを抑えているのか、わからないが、張り紙が一杯あって、どの線は乗れないとかどの駅まで行き,バスが代わりに走るとか、どの腺でどこの腺に乗り変えるとか、指図している。

 英語のわからない人だったら、こういときは、タクシーを使うのが無難だと思う。英語がわかっていても、覚えられないこともある。

 マンハッタンの5番街53ストリートで降りて、マジソン通りをバスで上がって行こうと思っていた。朝の飲み過ぎと食べ過ぎで、トイレが我慢出来なくて、地下鉄を降りて上がった所に、「パン、コティディエン」というフランスパンを扱っているカフェがあったので、トイレを借りて飛び込んだ。

 今朝はすごく寒い。空っ風がビュービュー吹いて、一旦出たものの、ダウンを中に入れにホテルに帰った。

冷えと水分で、トイレにばかり。

 フリックスに着くや否やトイレに。無料のガイドは、証明なくても借りられる。日本語も充実、親切丁寧に解説してもらえるので、行くたびに借りている。

 絵画は、時間と共に、観る目が変わっている。心境の変化もあるかもしれない。

 ここは、写真禁止なので、中庭だけは写せるようになっている。

 フェルメールの作品が3点ある。若い将校と楽しげに話をしている女性の顔に、光が当たっている。その女性の顔が喜びに満ちていて、表情が素晴らしく輝くよう。

 モネが生活苦と病気の妻を亡くして、絵を画く気にもなれないと言っていた頃、川に小さな小舟を浮かべて向こう岸の冬景色を画いた絵は、寒々とした色調を帯びている。

貧乏時代、友人からお金を借りてもすぐに底をついてしまったという。

 巨匠モネにも、そういう時代があった。

  恵まれた家に育った画家もいるだろうが、貧困と病気で若くして

燃え尽きて逝った画家も多い。

  鉄鋼で財をなした,この館の主、フリックも、貧しい家に育った。

品格のあるフ風情は、努力の賜によるもの。

読書家で、蔵書の数も半端じゃない。本を読まない人間は、進歩しないだけでなく、後退すると述べている。

また、金持ちは、天国に迎えられることは難しいが、貧しい人々は、それ以上に難しい、と言っている。

 ゴヤの鍛冶職人に絵画に、フィリップの若い頃の姿を見ていた。

 ターナーの絵画も素晴らしい。レンブラント肖像画は、最高傑作だとか。

深く自分を見つめ、憂いを帯びた目、手が職人のそれのように、大きくてがっしりとして、画かれている。よく働いた手をしている。画家の絵描きとして自負がそこに現れている。

フィリックは、その自画像に自分を重ね合わせて観ていたのだろう。

何回か、訪れる度に、見方が変わって来る。

そう、地下鉄の中で,向かいに座って居る黒人は、黒いビニールのゴミ袋を二つ持っていて,その中から、食べ残しを探して口の中に入れていた。ほとんど空のジュース瓶の残りを飲んでみて、飲めない代物だと分別する顔つき。 

それでも、黒人は、リズムと取りながら、くったくなく楽しそうにも見えた。