パンテオン、中世、モロー、オーランジュリー

   

 朝、まだ雪が舞っていた。道路の橋に、昨夜の雪が風に寄せられて,残っている。

凄く寒い。手袋の嫌いな私も、なくては歩けないくらい。

 バスを待っている間も、動いていないと震え上がるほど寒い。

 ルクサンブルグ公園で降りて,パンテオンまで上がっていく。

 バスの中も、冷え冷えしていて、パンテンの中にはいっても、所どころに、ストーブが置いているくらいで、寒かった。

子供達が、郊外学習に来ていた。パリの子供達は、よく、あらゆる美術館に来て、授業している。実物を前にして、贅沢な授業だ。

聖女ジュヌヴィエーヴ祈願して病気を治してもらった,ルイ15世が、このパンテオンを作った。

 ユゴーがここに埋葬sれるようになて、民間人もここに埋葬されるようになったという。

 墓所のある地下に、降りると、ルソーとヴォルテールのお墓が両側にあって、その奥に行くと,ユゴー、エミールゾラ、ボーマルシェ、などのお墓がある。

 人間は必ず死ぬので、このおほうが現実なのでしょうが、気持ちの良いものではない。

 ルソーとヴォルテールは、啓蒙思想家、哲学者として、18世紀の代表的な人物だから、特別に扱われている。

パルテオンを出て,中世美術館まで歩いた。

 ここは、吉田さんが,息子が来た時に,パリ中を歩いて,案内してくださった時に、美術館には、入らないで、見た所。

昔、一度,美術館を見て、感激したことがあった。まだパリも、ヨーロッパも知らなかった頃だ。

 ここは、タピストリーが素晴らしいので、知られている。

 その中でも、「一角獣と貴婦人」が有名だ。

 その部屋で、何枚かの素晴らしいタピストリーに囲まれるようにして、しばらくみていたら、一角獣が、とてもかわいらしく描かれているのがあった。他の一角獣は普通に描かれているのだけど。

 それにしても、これほどの美しい、タピストリーは見たことがないくらい、素敵だ暗い照明に浮かび上がって、魅せられる。

 これだけで、この美術館に、足を運ぶだけの値打ちは充分ある。その美しさ、優美さ、中世の宝物よりも魅せられる。

中世美術館を出て,サンジェルマン、デ、プレの方に歩いて行った。

ドラクロワ美術館に行く為に。

お昼時、お腹が空いていた。

息子と入った、「レオン」が角の所にあって、沢山、人が入っている。

ベルギーの本場から、店を出している、ムール貝の専門店だ。

11,5ユーロだったかの、ランチメニューの紙がはってある。

 サラダと、料理と,デザートで。

 安い店だから,人気なのだけど、ムール貝の好きな人にも、うってつけのお店だ。

 隣の女性は、ランチではなくて、沢山入ったムール貝を注文していた。ベルギーと言えば、ビール。ムール貝には良く合う。

 けれど、私は白ワインに。寒いからビールを飲むきになれなくて。

隣の女性は、ビールをちびりちびり,ジャガイモのフリットをおかわりして、ムール貝を食べている。

私の注文したものは、形だけのサラダに、400グラムの,ムール貝、ジャガイモのフリットついている。

 デザートに、プリンのブリュレ。

 どれもたいして美味しくないけれど、安い店だから、ムール貝の好きな人達は、充分満足している。

 ムール貝も、一度は食べないと、パリに来た気がしない。昨日のレストランが美味しかったので、口が肥えていく一方だ。

ドラクロワの庭

ドラクロワ美術館は、画家が最後を迎えた,アトリエを開放しているので、作品はほとんどない。「冬の花 」という展覧会を開催中。

 庭には、花が植えてあって、ドラクロワは、花を愛して、そのスケッチなども展示している。

ドラクロワ美術館の入り口

そこから、地下鉄に乗って、トリニテにあるモローの美術館に。

ここは、何度も来ている。モローの館が美術館になっている。

二階に上がると、アパートの部屋、3階と4階に、モローの絵画と、莫大な数の,デッサンやスケッチが納められている。

 時間があれば、一日中居て、じっくり見なきゃやいけないくらい、沢山あるけれど、

 私はいつも雰囲気を味わって、しばらく見て帰るだけ。

 あと、もう一軒、私の大好きな、「オーランジュリー」にも行きたかった。

 コンコルドに出て、オランジュリー美術館では、閉館までの,1時間半、たっぷり取っていた。

ゴーギャンの風景画

 ここは、モネの「睡蓮の部屋」で有名だけど、ルノワール、ゼザンヌ、モネ、等の素晴らしい作品ばかり。その上、ルソーの絵画も他では見られないくらい沢山ある。ローランサンの作品も。

ルソー

ローランサン

モネ

ルノアール

 そして、ユトリロの、白の時代の絵画、中でも、最高傑作は、「ベルリオーズの家」だろう。ユトリロの絵画は、なんといっても、白の時代、のものが良い。

ユトリロ

マチスピカソの作品の、素晴らしいものばかり。それに、モジリアーニ、ドラン、最後に,スーチン、沢山の絵画が見られる。

これほど、各作家の,授玉の、粒ぞろいの美術館はないだろうと思われるくらい。

 それというのも、ここは、ポール、ギヨームが、こよなく愛し,手元に置いていた作品を展示しているから。

 ローランサンの絵画は、「ピカソとルソーの間」と言った,詩人、アポリネール

 アポリネールが中に入って、ローランサンは、ギヨームの妻,ドメニカ」を描いている。 

 ギヨームに、絵画の収集と、画廊を作るのを勧めたのは、アポリネールだったとか。

モジリアーニ

 

 終わりまでの時間、モネの睡蓮の部屋で、足の疲れを休めながら、椅子に座って、ぼっと睡蓮の池を眺めていた。

 睡蓮の部屋は、奥と、手前と二つある。こんなに空いているのは、めったにないこと。

 

私は思う。

日本人も、アメリカ人も、大好きなモネがいなければ、印象派の作品が、絵画の歴史を塗り替え、その頂点に、君臨して、印象派の流れをくんだ,一連の絵画の宝庫は生まれなかったのではないかしら、と。