パリの大学都市,日本館で希望祭

 

希望祭と名前をつけて、パリの大学都市の中にある、日本館で、東日本の地震

災害に募金を集めようと、バザーが開催された。

シテ、ユニベルシテ、という駅は、アパートから、27番のバスに乗り、終点

から、Tという電車ですぐ。パリは、ポルトなんとか、という名前の地下鉄が

幾つもある。それは、パリ市への入り口を示していて、パリの、1,2区間

チケットで通用する最後の所が多い。

 大学都市のは、各国のメゾンが点在している。メキシコ館でも、催しをして

いるようで、人が沢山来ていた。その奥に、日本ん館がある。

私は、ここに来るのは初めて。

ものすごい人だ。

日本人はこんなに多いのだ。パリだけではなく、近郊の町からも、地方からも

来ているのだろうけれど。

食べ物を買うのに、辛抱強く並んで、やっとのことで、買って、美味しそうに

食べているのは、たこやき。

従姉妹がバザーに出すというので、この催しを知った。

私は,午後2時半を過ぎて行ったので、店はなかった。

売り切れて帰ったのだろうか。

3時まで、と書いている。

ある女性が、戸口で、どこかわからなくて、聞いて来た。

私も初めてだというと、彼女は遅れている、もう少しで終わってしまうので、

と慌てて。

案内の戸口がわかって、先に行く彼女を呼び止めて、ここからですって、と。

彼女は,踊りが終わってしまうことを気にしていた。知人が踊るとか。

郡上八幡踊りの準備をして、着物姿の人が並んでいた。

館内は、様々なグッズを売っていた。

日本館の正面を入った所に、藤田嗣治の大きな絵があった。馬の絵。

人がこれほど居なければ、目立ったのだけど、人が多すぎて。

グッズを売っている部屋の、舞台になる所にも、藤田の大作が。

絵画どころではない。人と熱気とがらくた市場の商売と。

絵画は、脇にやられて、金色があせてみえた。

踊りが始まった。

リーダーの男性は、多分、郡上八幡出身の人なのだろう。上手に、悦に踊って

見せた。

郡上踊りは、富山の,風の盆と共に、有名な踊り一つ。

中の飛び入りで入って,真似ながら踊りの輪に人が入っていく。

パリで,郡上踊り、日本人の心の中は、そこに留まっているのだろうか。

トイレに行くと、東京から帰って来たばかりだという女性と、フランス人と結

婚しているのか、女の子にも浴衣を着せて、浴衣姿の女性が,順番を待ちなが

ら,話していた。

福島の原発事故が及ぼす,放射能について。

「私は、東京ですから、問題ないです。何でも食べて、雨降っても、出かけ

て、気にしないで良かったです。東京は関係ないですから。」

着物の女性は、秋田出身で、これから10日間里帰りするという。

「どうなるのでしょうね。大気中にでなければいいけど」と聞いた。

「どうにもならないでしょうね。このままいくんじゃないですか。汚染水が

流れて、海に行くでしょう。」

「それなら、安心だけど。」

え?この人達、海に流せば大丈夫だと思っているの?大気中に出なければ、

それがどれほど恐ろしいことであるか、という認識はなさそうだ。

アパートの近くに住んでいる、アーティストは、反原発の為に、一日中費やし

ている,日本の友人にも,随時ニュースを送り続けている。

その彼が、フランスでも、地下水が汚染されていて、子供に水道水を飲ませて

はいけない、と言っていた。

「希望祭」をしていただけるのは、福島を始め、東日本の震災者にとって、

有りがたいことだ。

 けれど、反原発の声も高めていかなければ、恐ろしいことになる。

知らされずに、垂れ流して来たのではないのだろうか。原発が安全なんて

あり得ないのだから。

 

 何も、アルバ社に膨大なお金を払わなくても、日本に,ちゃんと汚染の浄化

施設が存在する。大型のタンカーで、そこに運んで、浄化すれば良いこと。

小出さんが、ずっと言っているのに、何故、政府は取り上げないのか?

フランスにも、日本にも、共通する、政府、企業、研究の利権にからんだ

欲の構造が立ちはだかっている。