生き方の中にこそ生命の尊厳がある。
廃刊になってうずもれていた本が、復刊になって、発売された。
「放射能汚染の現実を越えて」小出さんが書かれた本だ。
今は時の人となり、10人分身体があれば、と言われるくらい、忙しい毎日
を送っている。
休みなし。週末は、全国で待っている人人の為に、飛んでいって、講演をし、
人人の不安や質問に答えている。
私は思う。
一筋の道を、誰に顧みられなくても、我が信ずる道を誠実に歩いて来た人は、
人間の命を大切にして、人人の幸せを願って、生きて来た人は、
必ず、いつか、それが報われる時が来る。
生きているうちでなくても、死んでから、必ず。
芸術であれ、学術であれ、文学であれ、発掘され、明るみに照らされる時が来
る。
人間は、極わずかな少数の人を除いて、一生の間に多くのことを出来な
い。それほど、神様は、人間の命に時間を与えていない。
生き方が不器用で、人に遅れを取っているように見えても、一筋の道を脇目も
ふらずに、精進していけば、誰にも真似の出来ない「固有の美学、固有の領域」
に達することが出来るのではないか、と思う。
吉田さんも、学者の小出さんも、共通する生き方がある。
自分に恥じない生き方、自分を戒めながら、人人の平和の為に、命をかけて
質素で、つましい生活の中で、仕事にかける情熱は、いつも赤々と燃えてい
る。自分の命を燃やしながら、人間の命をの火を絶やさないように。
私のように、その一片ですら、もっていないものは、ただ憧れ、尊敬するばかり。
それがどれほど大変なこ
とか、想像を超えて、大変なことだろうと思う。
感心してだけいてはいけません。
あなたにもあなたなりに、何か出来ることがあるのですよ。それをやりなさ
い。神様は、そのために、私達を生かしておられるのです。
吉田さんの声が聞こえる。