春うらら、香住への小旅行

 

 昨日から、喉が痛くなって、風邪薬を飲んでも、良くならない。寒気がして、夜中熱が出ていたようだ。

 連休の谷間、朝、医者に電話すると、通常通りやっているのでかけつけた。

インフルエンザではないか、と調べてもらったら、それはなかったので、ほっとする。

 喉が凄く痛くて。風邪薬を飲んでいるけど、一向に治って来ない。

 今日はほとんど寝て暮らす。

 

木曜日から、2泊の旅行に出て、美味しい物を一杯食べて、温泉にも浸かり、元気だった。どこかで風邪をもらったようだ。

城崎への道を何度行き来していることだろうか。

 先日、美しく咲き誇っていた桜は、すっかり青葉に変わって、

辺り一面が、燃え上がる新緑で覆われている。

 山桜が、柔らかい色を浮かびだし、更に濃い山ツツジが点在して、色を添えている。

 香住にある、温泉を目指して走っていると、家々の前に、白い紐が笹の木に結びつけられて、一線をなして続いていた。

 大乗寺、別名を応挙寺として知られている。

その寺の観音様は、33年に一度、開かれて、1年間お姿を拝観することが出来る。

正大な行事が2日間に渡って行われ、終わった頃に出くわした。

 行事の為に、応挙の襖は全て取り払われて、住職以下、檀家の人達が、正装したままで、片付けを始める頃だった。

 どうぞ、上がって、観音様を見てくださいと、言われたので、拝ませていただいた。

その方からの話で、33年ぶりに、観音様のお姿を見られる時に、立ち寄ったのは、観音様のお導き、良いことがありますよ、と。

 白い紐は、この寺から観音様が、家々を守ってくださることの象徴になっている。

この行事に8千万かかっていると言われた。

 丸山応挙は、この寺で沢山の絵を描いていて、応挙の寺と言われている。

その日は、近くの温泉に行き、夜は民宿に泊まることになっていた。

その往き道で、偶然立ち寄った、大乗寺で、有り難い観音様を拝ませてもらって、

一期一会。

温泉に浸かって、お風呂はすませて、民宿に行くまでの海岸沿い、夕日がまだ高かった。写真を撮りたくなって、車を止めた。

旅館の前で、おばあさんがいたので、

「景色が美しいので、写真を撮らせてもらいたい。」というと、

ここからの景色を撮りに、沢山の人が来ました。秋山正太郎さんも、家の畑に入って、写真を撮りましたよ、と言われた。

 旅館はやめて、今はお年寄りの介護施設になっている。

日本の夕日一〇〇選に指定されている場所だそうだ。

おばあさんは、八〇才になるが、眼鏡がいらない。水平線を見て暮らしているからだそうだ。漁師の目が良いのも、そういう理由からだとか。

 時間まで、夕日が落ちるのを待てない。真っ赤な夕日が落ちていく様は、素晴らしいのだろうが。

泊まる予定の料理旅館は、民宿で、夏は海水浴、冬はカニ宿なっている。

 早速、夕食をお願いした。トイレと洗面、お風呂は階下にあって、部屋は六畳だけの狭い部屋だけれど、値段はそれほど安くなかった。

 食事目当てにやってくる客ばかり。客の評価が高かったので、選んだ。

 階下の食事室に入ると、テーブルに、見事な料理が並んでいる。

これはすごい。

 お料理は申し分なかった。但馬肉と白エビ、野菜を石焼きで。

香住のカニが甘くて美味しい。

 豆乳の豆腐鍋に野菜を入れて。

 随分盛りだくさんにあって、食べ過ぎた。新鮮な魚と肉、有機野菜が自慢の宿、

民宿でならではのもてなしだった。

翌朝、近くを散歩して見ると、どの家もお花が綺麗なのだ。写真を撮っていると、どうぞ、庭も見てくださいと声をかけられた。

塀の奥に、見事な花のガーデンが。このお隣も見てください、と。先週は、オープニングガーデンをしていたそうだ。

どの家も、個性豊かなガーデニングをしている。

人々は皆親切だ。海辺で暮らす人達は、心が大きく、豊になるのだろう。

カニの季節が過ぎ、海水浴までは、まだ。狭間の季節は、花と、野菜と、新鮮な魚を楽しみ、人気のない静かな環境も、心身を休めるのに、とっておきの季節だと思う。