奇妙な夢

 

 先日、夢を見た。つまらない夢なのに、鮮明に覚えているのだから不思議だ。

思い出そうとしても、思い出せない、ハッピーな夢がある。どうでもよことなのに、その夢だけは、よく覚えている。

 友人から、買ってきてほしいと、頼まれた靴があった。ロックポート、というブランドの靴で、靴のサイズ、足の長さ、幅などを克明に書いたメールをもらっていたので、気にかけていたことは確かで、あちらこちら、頼まれた通りの適当な靴はないかと、探していたのも確か。

2,3軒、探して、これで良いかな、というものを買った。目方の重い靴なのが、気になっていたけれど、色も形も、気にいってもらえるだろう。と。

 その靴は、まだ渡す機会がないままに、家の中に置いている。

さて、夢の中で、私は、友人に、買ってきた靴を差し出して、履いてみてよ、と促している。ブルーのフエルト製の靴を。

 「こんな色、履けない。」と友人は言っている。

もう一つ、靴を差し出して、私は

 「どちらか、好きな方を選んでよ。」と不満顔

もう一足は、白地に赤のストライブが入ったもの。

 「どうも、こちらも、履けない。」

遠慮がちに、すまなさそうな顔をしている。

「せっかく、重いのに、気に入るかなと買ってきて、いいいわよ。ネットで売るから。安くすれば、買ってもらえるでしょうから。」

 内心、怒っているのだが、そこはこらえて、私は、平気な顔をしている。

「もう、絶対に、たのまれものは、買わないぞ。」心の中で、ぶつぶつ。

「それにしても、どうして、こんな靴を買ったのかしら。」と自分ながら、趣味の悪さに落胆も。これが売れるわけないよな、とも。ああ、お金、パー。喜んでもらえなくて、お金も浪費、なんて、私は、いいかげな人間なのか、

こういう夢だった。

 朝、夢だったのだ、とわかって、階下に降りた。

 茶色の皮の、紐靴で、全く特徴のない靴が、ビニール袋に包まれて、片方づつ、畳の上で、もらわれていくのを待っている。