細川護煕「展覧会」が三越、エトワールで開催中

 

デパートの前から、地下鉄にのって、シャルル、ド、ゴールで降りた。

「パリ、スコープ」という週間情報誌に、細川護煕さんの、個展が開催中であることを見ていたので、是非、見たいと思っていたから。

三越エトワール、という所で、5月15日までやっている。

場所はすぐにわかった。中に入ると、やはり入場券を売っている。

ここは、写真禁止とはっきり書いているので、写真は撮れない。

かつての、総理大臣で、細川家のお殿様の家計に育った、侍、細川護煕、という

肩書き。

最初に部屋で、15分間のビデオを見せてもらう。田舎暮らしで、半日、農作業で自然にふれ、半日読書などを楽しむ。農作業と陶芸、読書と書道、というような生活。

若い時から、農作業に憧れを持っていた。小さな棲まいで、風雅を生業とする。そういう生活を、細川護煕さんは送っている。

陶芸も、書も、日々新たに、成長して素晴らしいものに。書を見ると、細い弱々しい神経質な書体から、大胆で、ゆとりのある、力強いものに変化していっている。

利休の黒を追求して、何点か、出ている。良い作品ではあるけれど、国宝を見ているだけに。

細川さんの陶芸で、信楽焼きが、特に素晴らしい。見事だと思う。

言葉の選びも、私の好きな言葉。

道元の言葉や、禅の言葉が撰ばれている。

作品を作っている時、これが最後と思って制作していると言われる。趣味では、とても。

禅の境地なのか、と思うけれど、所詮は、お殿様。庵といっても、お金をかけて素晴らしい棲まい。陶芸の釜から、作業所も設備が整って、手伝いもいる。

お殿様故に、出来る、贅沢な風雅な暮らし。文化人として、日本古来の文化を紹介する人としては、もっともふさわしい人のようにも思われた。

自然に、あるがままに。