吉田堅治さんの一周忌に

 

 明日、パリの吉田堅治さんのお墓参りをご遺族、親しかった人達でなさいます。一周忌です。

私も、出来れば、参加させていただきたいと、思っていたのですが。

 伺えないのが、とても残念ですが、日本の空から、お祈りさせていただきます。

良く伺った、パリのアパートは、2月一杯で空になるようです。

 パリ市の、芸術家の為のアパートなので、引き取りがなければ、すべて

パリ市に没収されてしまうと、吉田さんは、おっしゃっていました。

 吉田堅治さんの作品は、ご遺族と相談されて、吉田さんの絵画展を一手に引き受けてこられた

オゼさんが、御遺族の依頼で、一括して、保管され、これからの活動を担われるようです。

 

 NHKが、吉田堅治さんのドキュメンタリーを制作され、8月に、日本で放送されます。

 そのパリでの取材を、教会でされたそうでです。

 イギリスやフランス、アイルランドなどの教会での個展を再現するように、パリにある教会を使って、

吉田さんの作品を展示して、取材が行われたそうです。

 3月には、関西の取材があるそうです。

 「命」「生命」の大切さを、ご自身の体験を通して、絵画という表現形式で訴えて来られたので、8月の終戦記念日頃に放映されるのでしょうか。嬉しいニュースです。

 世界をかけて、特別な画家を、世に紹介して来られた、オゼさんだから世界レベルでの、おおがかりなイベントを、すでに計画されていることでしょう。

 力のある画商の世話で、吉田さんは、貧しい暮らしの中で、ひたすら絵を描き続ける人生だったと思います。無欲だから出来たことです。普通の人には、出来ない大きな展覧会を開くことが出来、有力なコレクターを、世界中に持つことが出来たのは、オゼさんの力量、コネクションあってのことだ、と吉田さんは、いつもおっしゃっていました。

 吉田さんは、心血注いで、多数の大作を残されました。吉田さんは、50年後に、自分の作品の価値がわかる時が来るとおっしゃっていましたけど、オゼさんの人生をかけた、最後の大仕事として、吉田さんの作品を世に出そうとしておられます。

 作品というのは、作家の手を離れると、一人歩きを始めます。作者と、作品とは、独立した存在です。

 

 私に取って、リアルなのは、あのアトリエで、暮らしておられた吉田さんの姿と、その肉体と精神から出る、言葉、そして、一緒に食べて、飲んだ時間です。

 親しくされていた、方々は、皆、吉田さんが、今も生きておられるとしか思えないでしょう。信じられないでしょう。あのバイタリティーと情熱、優しさがいつでもよみがえってきますもの。

 

 生前は、日本では無名の存在だと言われていた、吉田さんの海外での作品の高い評価が、生涯の生き様が、

 平和を祈りを掲げて、日本に広く紹介されるでしょう。

  とても嬉しいことです。

   一周忌に、なによりの、吉田さんへの、ご報告だと思います。