タイ料理に決まった

 ティム、バートン

 6時にシェラトンで待ち合わせ、グランドセントラル駅のオイスターバーに行くことになっていた。

 MOMAで、ソファーに腰を下ろし、休みながら、また、えいこらよいしょと 立ち上がる。待ち合わせまで時間がないので、5階の所蔵絵画は、素通りするように、所どころで、ちょっと立ち止まる程度で見ていった。 マチス、やセザンヌピカソゴッホ、名作ばかり。マチスダンスや、金魚、代表的な作品、セザンヌのサン、ヴィクトワール、ゴッホの夜の絵。不思議なことに、あれほど疲れていたのに、どこかに消えている。絵画が、疲れを取ってくれたようだ。 癒されたのだろう。

ティム、

 MOMAから、シェラトンまで、5アベと6アベを通っていく。ものすごい人、通勤帰りと、買い物客、それに、ロックフェラーセンターのクリスマスツリーが点灯されたので、見に行く人の通り道でもある。

歩き出した。地下鉄に乗るつもりの私は、すたすた早足で歩いていく後ろを追うようにして、歩く。背中は板のようにはりついている。セントラル駅は43だから、バス停にして4駅以上歩かさされた。デスクワークで一日中、座っているので、運動不足の解消に歩いている。 セントラル駅の中でも、店を探して、歩く。もう限界だ、と叫びながら、ついて行かざるを得ない。店に到着し、ガールフレンドが来るのを待っている間に、メニューを見ると、人気抜群の「アクワグリル」よりも高い。ここは、生牡蛎以外、調理されたものは、それほど美味しくないのに、店には、どんどん客が入ってくる。

 ソーホーにある「アクワグリル」は、当然のことながら、予約で満席、入る事は出来ない。

店の中は、がやがやうるさくて仕方がない。やめようか、というこになった。高すぎるわ。 「 アクワグリル 」は雰囲気は素敵だし、料理はここよりも遙かに美味しい。節約するつもりで、ここに決めたのに、逆なのだから。

 さて、じゃ何食べる?と聞かれ、韓国か、焼き鳥は?

 私は、タイ料理か、ベトナム料理、或いは、海鮮の中華くらいしか、お腹に受け付けそうにない。 一度連れて行ってもらったことのある、タイ料理の店が美味しかったので、そこに行きたいと言った。

 地下鉄に乗って、帰り道にも近くなるので、そこに決まった。ウッドサイドという7番線の駅で、マンハッタンから離れている。店には、待っている客がいたが、中が大きいので、すぐに席が用意された。

 トムヤンスープ、パパイヤのサラダ、パドタイ、魚を丸ごと調理したもの、餅米を頼んだ。どれもこれも美味しそう。

 トムヤンスープに髪の毛が入っていた。新しく、調理して、出てきたのは、ずっと後になってから。

髪の毛だけ取って、同じものを持ってくるのではないのかな、なんて疑ってたが、そうではなく、その上、トムヤンは無料にしてくれた。

 ここに来て、正解だったね、と皆大満足。支払いも安くて、なお満足。