赤木コウジロー展

 

赤木コウジロウ(漢字の変換がないので)

 「赤木の版画パリ風景」という本が、日本で出版されたばかりとか。書店で購入出来ると思う。

 パリの5区にある区役所で、今月の初めから個展が開催されている。パリにゆかりの

ある画家なら、きっと誰もが知っているのだろう。

 吉田さんも、一緒のアパートだったことがあるとか。

 赤木さんの絵は、パリの建物を克明に描いたことで、フランスでも高く評価され、カルナバレ美術館に、120以上、寄贈という形で収まられている。

 フランス人よりもフランスに精通している、と言われているのは、長年にわたって、建物を書き続けて来たから。建物を描くことは、そこを政治や、宗教、生活の場としてつくり、形作っている「人間の歴史と生の営み」を見つめ、描いていることになる。

建物は変遷する。

 土台になる水彩画を、外にキャンバスをおき、描かれるのに1ヶ月かえられるとか、その後、本作品を描かれるのに、一体どれほどの時間を費やすのか、克明に、正確に、緻密な作業でできあがる絵画ばかり。

 作品に、朱の赤を使っている所が、赤木さんの特徴で、この色は西洋にはない色、印鑑の朱肉の赤に近いし、日本の長襦袢にもよく使われる、着物の朱色。日本人の色で、色っぽい色。赤木さんは、この色を服飾モードから取り入れられたのかもしれない。

アカギの版画パリ風景」の表紙の色も、この朱赤が使われている。

 昭和38年から、パリに来て、ただひらすらに、街角にキャンバスを置き、スケッチし続けて来られ、その傍らに、パリのモードに関する通信や、雑誌記事を書いて来られたというのだから、まさにフランス人よりもフランスの事を知っている。

 生涯かけて、ただ一筋の道を、脈々と歩んで来られたのだということを、作品を前にして感じると、吉田さんの姿も重ね合わせ、感無量。すごい人だな、と思う。

パンテオン

 長年、奥さんが、働いて、支えてこられたという。内助の功あって、大成する人は多い。どの世界でも言える。

 画家は長生きしないといけない。半ばで病気に倒れられると、内助の功も泡となる。

和気史郎さんを支え、大成させようと一生懸命になられていた奥様が、和気さんが亡くなられた時に「裏切られました」と言われた言葉が印象に残っている。