マドレーヌ広場

 

 三越でトイレに入り、売り場をぶらぶら見て、おもむろに外に出る。ドアマンが、仰々しくドアを開けてくれるので、以前のように気軽に入れなくなった。いつも客が多いので、紛れているのに、閑散としている。客が、2、3組ちらほら。売り場の人達が立ってその行方を伺っている感じ。団体の客があるときにしか、活気がなくなっているのだろうか。 50パーセント引きの目玉品は、品物を吟味しているので、安くて良い買い物だ。レオナルドのブラウスは、柄が良く、しなやか、ジバンシーの財布など、バーゲン時期ではないので、ほとんどのものは定額だけど、少しだけ置いている。

 出る時には、またドアを開けて、「ありがとうございました。」とフランス人が日本語でお礼を言う。

 パリに10年間住んでいた、秋田の女性は、毎日の散歩コースの一つで、三越にやってきていた。これだけ客が少ないと、ドアマンに顔を覚えられそう。 

 

 三越の側にある、マンダリンという飲茶の店がある。昔、従姉妹と食べに来た事がある。隣の席に、デザイナーのコシノジュンコ がスタッフを共に来ていた。飲茶が美味しい店で館内は広く、ほぼ満席だった。

その店も、様子が変わっているようだ。看板に、10,98ユーロの定食メニューが貼ってある。4品のコースが、10,98ユーロ。 観光客用だろう。

マドレーヌまで来ると、名だたる店が、マドレーヌ広場を周りを囲んでいる。

 

 日本人に紅茶ブームを引き込んだ、フォーションがある。ガラス製品の老舗、バカラなど、なじみのある日本人好きの店がいくつか並んでいる。マドレーヌの花市も有名。

近くには、ピアフで有名な、オリンピア劇場がある。劇場のお気に入りに花束を持って行く人が便利だろう。カップルがやってきて、彼女の為に花束を買って行く人がいた。一束15ユーロくらい、様々な花束が、奥には、特別の大きな花束が。

 

 劇場の当日半額券を売っているキオスクが、この広場にある。パリスコープとにらみ合わせて、並んで買っていく。

 オリンピアの前には、若者達がすでに並んで待っている。キオスクのおじさんに聞くと、彼らはステージの下、客席の前の席を求めて並んでいるのだという。今夜は、女性の歌手のコンサート。

 マドレーヌギャラリーという、細長い回廊がある。老舗の店が入っているようだ。

背広の仕立て屋さんがある。小さな店の中で、お年寄りのご主人が洋服を縫っている。横の場所で、奥さんらしい女性が、手伝い仕事をしている。

 

 ウィンドーに、フランクシナトラの写真が飾っている。一番古い洋服屋だと書いている。きっと有名な店なのだろう。子供服、室内装飾品やベッド用品の店、静かに、時間が止まったような、店が動いている。