パリへ

 

  最近は、日本食の方が、体が喜ぶようになった。飛行機の中で、日本食にしようか、洋食にしようかと迷う。マイルを35000マイル使って、ビジネスにアップグレードしてもらっている。ビジネス料金は、40万くらいするから、食事も高いものについているのに、たいしたものではない。名古屋ヒルトンのシェフが、洋食を、大阪のヒルトンのシェフが日本食を担当してるらしい。

 

 最近食していない、ヒレ肉のステーキに惹かれて、洋食を選んだ。ワインもその方が合いそうだ。

 前菜に選んだシーフードは、えびと貝柱、美味しかったけれど、物足りなかった。メインディッシュの、ステーキは、よく焼けて、ヒレの割に堅かった。オーストラリア産のようだ。滅多に食べない肉だから、美味しい国産牛を選んでいるから、そのギャップは大きい。ドイツ航空だけあって、パンは美味しい。ワインにパンが一番美味しかった。

パリに行っても、レストランに入る機会は少ないだろう。今回は、日本食の食材を持参している。お米も少し。梅干しに昆布、お好み焼きの材料など、以前は考えもしなかった日本食材がなければ海外で過ごせなくなっている。

飛行機の中で、間食においている、おにぎりが一番美味しい。

 

フランクフルトで、パリへの乗り換えに使うラウンジ入ると、ポテトのマヨネーズサラダとフランクフルトソーセージを小皿に取って、ビールをつぐ。日本ラウンジよりも遙かに充実している。ドイツ料理の中で、じゃがいもの料理は、どれも美味しい。中でも、このポテトのマヨネーズサラダには、サワークリームと少々芥子が効いていて美味しい。ハイデルベルグの駅近くに、奥に細長いカウンターだけの小さなバルがある。朝からお酒に酔いだけれている仲間ばかり。そこで、おやじさんが、つまみに出してくれたのが、これと同じポテトのサラダだった。その美味しかった味は忘れられない。客は皆、おしゃべりで親切、陽気だった。身なりのよい格好をした人はなく、お酒があれば満足、人生は楽しい。彼らは、ドイツで一番美味しいものを食べているように思った。

 

そういう思い出が、ラウンジでの同じものを味わう儀式になった。お腹は一杯mなのに、これだけはかかせない。

 パリまでの短い飛行時間に、サンドイッチが出る。これがまた美味しい。穀物パンにハムを挟んだシンプルなもので、お腹は満腹だけど、小さいサイズなので、がんばって食べる。コーヒーも濃くて美味しい。日本からの飛行機と、ドイツからとは、コーヒーの味が違う。自然と眠気が出る時間、日本では真夜中だ。