幾つになっても男と女

バスを降りて、改札に向かおうとして歩き始めたら、背後で、

お茶を飲みませんか?

というしわがれた声が聞こえた。

老人が、連れ立つた老女を誘っている。

朝早くから、山歩きに参加していたような二人だった。

誘われて、老女はすぐに応じて、二人は駅の反対側に歩いて行った。

何時までも男と女、微笑ましくもあり、寂しいのだろうとも。

一人暮らしの老人が増えるばかり。

山歩きは、元気な老人館の出会いの場なのかも。

息子たちが日本に帰ってくる前に花と一緒に野菜を植えた。

毎朝起きるとすぐに、野菜を見に行くのが、楽しみになつている。

胡瓜は、すでに3本取れたが、茄子とトマトは、これから。

野菜は、毎日水遣りが必要なので、家を空けられない。底にみずを貯める容器を使っているが、驚くほど吸い上げて、毎日やらないと枯れてしまいそう。

命あるものの世話は、張り合いもあるが、留守ができなくなる。秋の収穫が終わったら、野菜作りはやめておこう。