バター不足とクロワッサン

 

      

    

  クロワッサンが食べたくて、歯医者の帰りに、阪急のアンデルセンに行くと、一個220円だった。消費税込みなのか、外税なんかわからないので、一応外税として考えると、240円になる。

 アンデルセンのクロワッサンは美味しいのかどうかわからない。

 練乳の入った、この店の一番人気のパンは、映画館に入るときに、以前時々買っていたが。

 アンデルセンのクロワッサンは、こぶりで小さい。帰りにイカリで買うことにした。

 前日、夙川のイカリではクロワッサンがなかったけれど、いつも買う店では置いているだろうと

 思った。

 ところが、イカリには、プチクロワッサンしかなくて、一口で食べてしまうような大きさのが100円。

 向かいのスーパーに窯焼きのパンコーナーがあるので、そこに行くと、

 こぶりのクロワッサンが袋いりで300円くらいであったのだけど、マーガリンを使っている。

 乳化剤を使ったパンは買わない。マーガリンを使っているパンは買わない。

 となると、イカリで、小さいクロワッサンしかないので、それを買った。

 受付で、「クロワッサンが夙川にもなかったのですが。」と言うと、

 「いつも入るとは限らないのです。」とのこと。

 そこで、私は気が付いた。

そうだ、バターが不足しているので、クロワッサンが高騰している。

値段を上げるんも、限りがあるから、製造を見合わせているのかもsれない。

アンデルセンのパンがバターを使っているとしたら、値段が高いのもうなづけるし、こぶりになるのも

最もだ。

 マーガリンを使っている店ではあまり関係ないので、パンの値段は安い。

 バター不足で、スーパーの棚に、バターがないということをテレビで見た。

 家では友人にもらった、トラピストのバターがまだ残っていて、あまり使わないので、気にして

いなかったのだけど、牡蠣にあたってから、パンケーキやフレンチトーストを焼くようになって、

 バターとメイプルシロップを常用するようになると、バター不足が気になる。

 クロワッサンは、バターをふんだんに使用する。

パン造りを習っていた頃、クロワッサンを作ったことがある。

生地の間に、何層にもバターを練りこんでいく。

 家で造ると、美味しいパンが出来るけれど、、とても面倒な作業。

 パンの本場、フランスでも、バケットは1ユーロで買えるけれど、

 クロワッサンは、一個が1ユーロの店は安い方。

 バターを練りこんだ、クロワッサンは、もっと高い。

 クロワッサンは、パリでも、リッチな人だけが、毎日朝食に食べる事が

 出来る。

 庶民は、バケットを食べている。

「クロワッサンで朝食を」に出て来た、リトアニア女性の家政婦は、

クロワッサンをスーパーで買って来た。

 本物のクロワッサンではない、とつきはねる夫人。

 そうなのです。日本でも、本物のクロワッサンは高いのです。

 庶民の食べ物ではないのです。

 飽きのこない、空気のような食べ物ではないのです。