連休はどこも混んでいるだろうというので、梅田に決めた。
いつも随分人が待っているので諦める「やまと」という居酒屋の前で
待ち合わせた。
すでに友人は来ていて、列を並んで待っている。
「やまと」は新世界にもある、酒屋が本業の居酒屋でカウンターだけの店。
席は半分くらい空いているのに、客の数を制限している。
しばらく待って中に入れた。
ここ半年は来ていない。いやもっと。1年来てないかも。
12時半くらいに来ると、一旦席が埋まった後なので、
幾ら待てば席があくのかわからない。カウンターには、2時間制限と書かれている
くらいだから、客はなかなか出ていかない。
この店が出来た頃は、それほど混んでいなかったので、気軽に行けたのだけど、
安くて、ネタが良く、美味しいので、客は気長に待ってでも入りたい店なのだが、
私達はそこまでする気がないので、覗いては、別の店に行っていた。
しばらく来なかったら、メニューが少し変わっている。
和牛の焼き肉がなくなっていた。480円のメニューで、安すぎるくらいだった
うまき。680円
から、採算がとれなくなったのかもしれない。それに代わって、牛の塩タンが加わっている。
他のメニューは、以前と変わらず、ビールや酒類は380円、料理は380円から480のがほとんど。
いけすに泳いでいるイセエビは一匹180円。躍り、塩焼、天ぷらと好みに調理してもらえる。
寿司もなかなかのもので、新鮮なネタを厚切りで出している。はまちなどは一貫120円、うなぎや本マグロは240円。
飲み屋の定番である、おでんは一品120円で必ず注文したいもの。味のしみた大根と厚揚げ、牛すじにこんにゃく。じゃがいもの好きな人も。
待ってでも食べる値打ちは十分ある店だろう。若い人が増えている。若い女性達が増えているのには驚きだ。
こういう店は、もともとは、酒飲みが、立ち飲みで充てのおでんやあての小料理をつまんで腹の虫を治める店だった。
通天閣の下にある、串カツ通りの一角にある、やまとの本店は、酒飲みの男達が目立つ店だけど、梅田の地下街の店は客を問わず、人気のトレンドになっている。
もずくのかき揚げ
自慢の「明石焼き」は外せない。480円で神戸に負けないくらい美味しい。
居酒屋となると、煙草を吸う人の隣になる可能性もあるのに、誰も吸う人がいない。
看板に「できるだけ喫煙所で吸ってください。」と書いている。
これが原因だったのだ。こう書かれて、あえて吸う人はいないようだ。
そこが以前と変わった所。料理が格段と美味しく感じられるのは、そのせいかも
しれない。
昼からお酒を飲んで、お腹も一杯なので、その辺をぶらぶら歩いた。
茶屋町の交差点が行き交うあたりの、とあるビルの壁に、絵を画いてる若者がいた。
「フィラデルフィアみたい。」と私が言うと、その若者は私の声が聞こえたようで、笑ってお辞儀をした。
フィラデルフィアに行ってみたいとかねがね思っていたら、先日テレビで、町中が落書き許可になって、アートに溢れている。すさんでいた町がアートで蘇えり、明るい光で溢れる町になったとか。その光景がふとうかんだから。
遠くから一枚写真を撮られせてもらったら、彼が寄って来て、自分の作品をいれた葉書をくれた。BONBIというサイン入り。
友人が、「ブログに乗せてもいいですか。」というと、
彼は、是非に、と言って、絵の前に立ってポーズを決めた。一枚撮ったら、
もう一枚といって、好きなポーズを。
雇われて画いているようでもない。
パーフォーマンスで、許可を得て、画いてるのだろうか。
のどかな、連休の、うららか日和。節約組の若者でごったがえすほどの人の波。
楽しそうな笑顔がここにも、あそこにも溢れていた。