清原が引退して以来、
野球を普段は見ないのに、この日本シリーズは、かかさず観た。
手に汗握る熱戦の数々、野球の醍醐味を満喫させてもらった。
楽天が優勝できた事は、何よりも嬉しい。
私のような、俄かフアンは沢山しただろう。
6戦目で完投したマー君が、巨人に負けた時には、明日、明日は
きっと楽天が勝利するだろうと期待した。
どちらも後がない勝負、だったら、負けた方が必死になって戦って来る。
巨人には、無敗の田中を打ち破ったことで、安堵感があるにちがいない。
実際、後、どの投手が、巨人と戦えるだろうか、とは思ったけれど。
総力戦で戦う試合だから、マー君もきっと出て来るだろう。
楽天は、回を重ねるたびに、一点づつ追加して、3点稼いだけれど、
巨人の打線を考えれば、とても安心していられるわけではない。
あと一点欲しいと願いつつ、最終回まで、巨人に点を許さなかった。
あと、3人、という最後の回に、星野監督が、タナカ、という言葉を
発したのが、口の動きでわかった。
ランナーが出て一発が出れば、同点になる場面、田中の最後の球は
スプリットだった。
6回でスプリットを初めに投げ過ぎて、指の感覚がおかしくなったのだと、
解説者が言っていた、その球で、勝利を勝ち取った。
感動した。泣いた。
日本シリーズの試合で、私は沢山の選手のフアンになった。
キャッチャーの嶋、ルーキーのピッチャ、のりもと、当然の如く、マー君。
デッドボールを受けて痛みをこらえて戦った藤田、他の全ての選手が、輝いて
いた。べテランの松井も頑張った。
楽天の痩せてスマートな選手たちに比べて、巨人のベテラン選手たちは、横綱のように、
堂々とした安定感があった。
打てば、ホームランを誰でもが、という不安がつきまとう。それだけに、はらはらドキドキの息詰まる試合ばかり。村田に打たれて同点、もうだめかな、と思ったら、延長戦の10回に、2点追加。 取られた2点を取り合変えして、4対2で勝利を掴んだ。
野球史上に残る、名勝負だった。
まだ、興奮の中にいる。
来年は、マー君、大リーグのマウンドにいるだろう。
中学時代、いみじくも、マー君は、宝塚ボーイズという少年野球チームにいた。
大リーグでボストンが世界一になった、その立役者である上原投手は、寝屋川高校の出身だ。彼は雑草だと自分を表現している。
ボストンは息子が長くいて、ずっと応援していた球団なので、歓びもひとしお。
ニューヨークに移ってからは、松井のニューヨークヤンキースとボストンの板挟みになって、どちらも応援していたけれど、やはりボストンが懐かしい。ボストンの球場は格別なのだ。
高校を出て野球界に入ったマー君と、大学に進んだ、ハンカチ王子と、どちらが野球界で花開いたかというと、それはいう間でもないけれど、それはそれぞれに、身にった選択だったと思う。良い悪いはないのだ。
野球選手の存在は、未来の子供達の希望と勇気と目標でもある。
活躍している野球界の選手たちも、かつてはそういう子供だったに違いない。
野球はスポーツという分野に留まらない。人生の道を照らす星のような存在ではないだろうか。
寝たきりの叔母が、辛うじて生に向かっているのも、野球の試合が見られるから。