映画《舟を編む」

      

 

 映画「舟を編む」を観に行きました。

http://fune-amu.com/ 舟を編む

見たいと思いつつ、まだ映画館でやっているだろうと

ぐずぐずしていたら、見て来た友人が、「良かった。」と

いうのを聞くと、急に行きたくなって。

生涯をかけて辞書作りに携わる人達を描いた映画で、

所々に、ユーモラスな場面がちりばめられて、

地味で固いテーマに、エンターテイメント性を入れて

バランスの良い映画に仕上がっています。

言葉は、日々、変化し、増殖していきます。

今充、という言葉が、若い人達の間で使われていますが、

今充実して生きている人達の事を言うのですが、先日

母を囲んで集まった時に、弟が、妹夫婦は今充やな、と言って

その言葉が話題になったのですが、新語や造語が、どんどん作られている。

この映画の中で、新しい辞書「大渡海」を18年かけて、完成させるのですが、

現代人の為に、今までにない画期的な辞書なので、「用例採集」に、若い人達の会話を

聞きながら、初めて耳にする言葉を書き留めて、カードを作ります。

私達の回りに、どんどん言葉の海が広がっているのですね。

気の遠くなるような、根気のいる作業を見ていると、見ているだけの私の身体がこちこちになって、眼はかすんで、頭が朦朧としてくる感じ。

とてもとても、あんなこと、私には出来ない。

これからは、もっと辞書を活用しなきゃ、申し訳ない、と思った。

電子書籍が簡単に読めると、重宝される世の中になっても、本でなくちゃ、と

いう人に支えられて、本屋に本が並んでいるのですが、本をめくる感触がなんとも

いえないのでしょう。

辞書に使う紙を持ってきた業者に、「辞書のぬめり感がない。」とクレームをつける所があるのです。ページをめくる手と紙との感触が、たまらないのでしょうね。

学生の頃、辞書を引くのが嫌いで、面倒くさいほうでしたから、辞書を使いこなして、

年代物のようになった辞書を持っている人を尊敬の目で見ていたことを思い出したり。

私の辞書は、買っとく、おいとくで、どれも真新の辞書。

フランス語の中辞典だけは、結構使った形跡ありですが、他の辞書はまったく、可愛そうなものです。

電子辞書を買いたいと、なんども思っていたけれど、本があるのに、買えずに、ぐずぐず。

この映画を見て、辞書を見直さないとね、と思うのですが、眼の方が辛くなってしまって。

バス停で、息子の小学生時代に同学年だった、近所の息子さんを時々みかけるのですが、

先日、バス停でバスを待ちながら、その人は、首からさげた虫眼鏡で、携帯の字を読んでいました。目が相当悪そうです。没頭して、周りのことは全く眼中にないかのように、世界に入り込んでいるようでした。