藪医者と名医

 

     

 本格的な風邪をひいたよう。昨夜は寒気がして、早く床についた。

母の所でも、マスクが離せない。食べ物を持って行っても、マスクは外さないので、

母だけに食べてもらうようにしていた。

来週、母のギブスが取れる。ギブスを取るのに、電気ドリルを使わねばならない。

この前、診察時に、一旦外して、レントゲンを撮ったら、まだ、ということで、新しいギブスを巻いた。

その時には、母をベッドに寝てもらって、4人がかりで、母に見えないようにするのが大変だった。

それを、また繰り返すわけだ。やれやれ。藪医者だ。

 

 愛想は良いし、気さくな医者なのだけれど、母の病状を、認知症だから、と決めつけて、リウマチ性だとは、認めようとしなかった。

痛いと思い込んでいるので、あてにならない、というのだ。

 ついに、高熱が出て

、母の身体的痛みは極限に達していた。紹介してくれた病院でも、肺炎扱い。

 1か月の抗生物質投与をしても、ますます悪くなるばかり。

  しつこく食い下がって、リウマチ性筋痛症のコピーを見せ、整形で、その疑いを含めて血液検査してもらったら、反応が出  た。

 リウマチには、ステロイドが有効で、次の日から、母は痛みを訴えなくなり、楽になって、 嘘のように消えた。

大抵の医者は、患者の言うことを聞かない。

 

 今、入院先のベッドで寝たきりの叔母に関しても、「病院の意向に逆らって、嫌われてはいけない。」と従妹達が言うので、病院のやりたいように扱われている。

 筋トレを毎日すれば、歩けるように、なるのでは?と私は思うのだけど、マッサージ程度のものしか、カリキュラムにはない。

 看護婦長に、頼んだけれど、「そんなことはこの病院ではしません。病院が違います。」と切って捨てるような答え。

  

 

 誤診や、不親切な対応に、涙を飲んだ病院の家族は、多いのではないだろうか。

母の場合、幸い、入院先の内科部長(医者が肺炎として紹介状を書いた人)が、何度か抗生物質を変えた後でではあるが、

私のような、素人の意見に、耳を傾て、「肺炎だとは思うけれど、整形に依頼しましょう。」とご自分の誤診が明らかになるようなことでも、引き受けてくださったので、母は助かったけれど。

 藪だとわかっていても、近くに、整形はないので、何年振りかで、骨折のレントゲンなら大丈夫だろうと思って連れて行ったのだけど、ひびか骨折か、わからない、という。

 ギブスを外したら、まだ少し、というので、また新しいのを巻いた。

赤ちゃん言葉で、母に接するのも、違和感がある。

 私が通っている、宝塚の医者は、五十肩を、一日で治してくれた、というインターネット上のコメントを見て、行った。

 確かに、一本の注射で、楽になって、それ以来、通っている。

 

氷上郡で、働いていた人で、救急医療に貢献した、という表彰状が、いくつも飾ってある。

おっとりした、いかにも人の良い感じのする医者だ。

 

 サプリメントは、信用していない、と言われて、やめたら、どうってことない。

自分で治すものですよ、医者はその手伝いをするだけです、と言われて以来、身体を動かして、治すようにしている。

母の胆石の手術を依頼した、住友病院の医者も、インターネットでのコメントを見て、宝塚病院の担当医に、紹介状を書いてもらった。

 

母は、手術をしないと、助からなかった。病院では、年齢を考慮して、体力的な見地と、手術する医者の手が、半年先まであかないという理由で手術はしないと言われた。

 

住友病院に行くと、「手術を早い目に入れましょう。」とスケジュールを見ながら、日を決めてくれた。インターネットでの名医との評判で、患者がどんどん増えて、忙しくて、という話だった。看護婦は、彼女のおばあさんは、92歳で、この先生に、手術をしてもらって、元気だから、心配いりません、と。

 

 医者は、毎日、朝、晩に、患者のベッドを訪問して、気さくに語り掛け、患者を励まし、話し相手にもなっている。

不思議に思って聞いたら、病院に住み込んでいる、とのこと。仕事一筋のあかひげ先生。

 弟が、この先生の手を見たら、手術の旨い医者だとわかる、と言っていた。ゴッドハンド、という手をしているのだろう。

そういう医者達と、藪医者との違いは、どこから?