玉三郎の、京都案内、朝日新聞から

 

    

   

  半年に一度、歯のメンテナンスの日に当たっていた。

午後、出かけようとすると、突然の雷、すごい音だ。

暗雲垂れ込め、とまではいかないけれど、と思いきや、

豪雨となった。

予約の時間がある。雨の中、飛び出した。

つもは、遅い郵便配達のポストに、配達物が入っている。

中に、友人からの封筒があった。

バス停までの短い間に、靴も、ズボンも、コートの中まで、

染みこんでいる。

座れないので、立っていた。

封筒に中に、玉三郎の新聞記事と、夏に公開される、映画、「少年H」の

パンフレットが入っている。

朝日新聞の一面に載っていたので、切り抜いて、送ってくれたのだった。

京都で特別公開中の、神社仏閣から、玉三郎は、仁和寺と、伏見稲荷、などの

3軒を紹介している。

彼のお気に入りの場所らしい。

連休は混むだろうな。何の計画もないので、本をどっさり借りてきているものの、

読みだすと、持病の頸椎のあたりに負担がかかってきている様子。

そうなの。本をあまり読めなくなったのは、この首の性だということを

思いださせてくれた。

戸外を歩いて、自然の「気」をもらう方が、身体には良いのです。

玉三郎の説明は、簡潔で、信を得ている。

神社、仏閣は、神聖な、空気や気配が漂う「気」が集約されている場所に、職人達が、精魂込めて、繰り上げた「気」が漂ている。

そのあたりの自然におもむろに拝むことができないので、拝みの象徴として、仏像が存在する。仏師が、気をこめて作りあげた仏像に、手を合わせ、拝み、気をいただくのが、神神社仏閣の真意であって、観光を目的としたものではない。

気を頂きに行くのだったら、人で混雑している、時は避けるべきだなあ。

気が散るでしょ。気の弱い私にまでは、まわらないもの。強い人に吸い取られていく。