京都市美術館「ゴッホ、空白のパリを追う」

   

 京都市美術館で開催中の、ゴッホ展、空白のパリを追う、

と、「リヒテンシュタイン」の2つの展覧会を観に行きました。

昨日は、雨との天気予報でしたが、連休前に行っておかないと、

連休から、19日の終了までは、きっと混むだろうと思って。

http://www.city.kyoto.jp/bunshi/kmma/exhibition/gogh.html

最近は、大雨になり、風も強いので、懸念しましたが、

出かけるときは、雨が降っていなくて、さすがに、私は、晴れ女だなあ、と。

梅田の改札で友人と待ち合わせ、中から、乗車券を渡して、一緒に、梅田から乗っていく

のですが、私一人だと、長く感じられるのに、友人とお喋りしていると、あっという間

に、京都の河原町に着きます。

京とは、雨が降っていましたが、ちょうど良い雨かげん。風もなく、しとしとと、京都風情に花を添える程度の雨です。

先に、昼食を食べようと、私が調べていた、イタリアンの店を探しながら、祇園通りを、八坂の方に、向かって歩いたのですが、あるはずの店がありません。

 地図は間違っていたのかもしれないわ。通りを何処かで入らないといけなかった。

八坂神社の前にある、うどん屋にでも、と言いながら歩いて、「志津屋」のパン屋さんの

前で、ストップ。

 美味しそうなサンドイッチとコーヒーがついている、メニューが目に入り、コーヒーついて、なんと安いこと。

 友人は、朝ご飯も、昼ごはんも、夜も、旦那がご飯でないとだめな人なので、

外に出ると、パン食か、スパゲッティーなどの粉ものを食べたがるのがわかっていたので、

イタリアンのスパゲッティーランチの美味しい店をチェックしていたのですが、そんなわけで、志津屋で、サンドイッチをコーヒーという簡単なランチになりました。

 私は、朝はパンと決まっているので、スパゲッティーの方が、ありがたかったのですが、

 美術館にも、早く入りたかったので。

志津屋のパンが美味しいのは、定評がありますが、幾つかのサンドイッチの中で、私の迷いは、いつものことですが、カツサンドにするか、この店の、シェフ自慢のサーモンとサラダが一杯入ったサンドにするか。

友人は、肉を食べないので、卵サンドに、あっさりと決めています。

店の人に、「一番人気は?」と聞いたら、カツサンド。

やっぱり。サンドセットの中で、最も高い、と言っても、セットで680円なのですから、

他のセットに比べて、100円しか違わない、それを注文。

サーモンなら、分けて、両方食べられる、とは思ったけれど、難波の松竹座の隣にある、肉の名店「はり重」のカツサンドとか、東京のカツサンドの名店で、「うう、旨い、」とほうばっている、カツサンドを観ながら、サンドイッチのお気軽さには、似合わない値段に、あきらめ顔の私ですから、安いので、肉はだめだろうと期待しないで。

それが、ものの見事に裏切られてしまいました。

肉は柔らかく、間に細くチーズが挟んであって、ソースがとても良くマッチしていて、ジューシーで、美味しさに、ジェー、ジェー(驚き)です。

友人の卵サンドにも、彼女の苦手?なハムも入っていたのですが、美味しくて、感激気味。

「方向音痴の私でも、ここなら一人で来れるわ。」

どこに行くにも、誰かと一緒でないと、出られない、と言っている人ですが、相当のお気に入りになった様子。

この店の、一番の人気商品は、カツサンドでした。

肉好きの友人に、今度、食べさせてあげたいなあ、と私もひそかに思いながら、いつも買う、ブドウパンを買いました。厚切りの、干しぶどうが一杯入った、パン。これもこの店の名物の一つ。

美術館は、予想通り、空いていました。絵の前に立って、十分見られるくらいに。

ゴッホ展を、パリで観て来たのですが、それは、日本の浮世絵からの影響を受けた、絵画展。

今回は、ゴッホが、弟のテオを頼って、パリに出て来て、一緒に住んでいた頃の作品を集めたものです。

空白の、というのは、ゴッホがテオに書き続けた、「ゴッホの手紙」には、ない、パリでのゴッホが絵とどう向き合い、絵画をどのようにして描き、何を使って、描いていたのか、下絵を塗りつぶして、上に描いた作品の赤外線写真などや、パースペクティブを使って、

遠近法を正確に使っていたこと、下書きのデッサンを綿密に描いていたことなどを通してゴッホの絵画が、古典を学び、ものすごい探求心と、パリ時代の貧しい生活の中で、希望に燃えていた兄弟の姿が、浮き彫りになって、興味深い、独自性のある、展覧会になっています。

友人は、いつも、沢山の頭越しに、絵画を見ているので、こんなに空いているのは、初めてと喜んでいましたが、私は、空いている時でないと、見る気がしないので、混んでて、何時間も並んでいる人がいると、だめ。

足の不自由な友人は、疲れて、椅子に座って待っているわ、と言うのですが、日本の美術館には、椅子が置いている所は、ほとんどないのです。会場を出た所と、会場の間にある、廊下にあるだけです。

絵画を見るように、できていない。 海外の美術館では、中に、ソファがあり、ゆっくり見る人や疲れたら、休めるようになっています。

文化、芸術に対して、心配りのない、貧しい国です。

同時開催の、リヒテンシュタインからは、ルーベンスが描いた絵画がメイン。

幼い娘を描いた、絵が、生きいきとして、みずみずしいタッチで、素晴らしい。

 ピーターブリューゲルの息子、ヤンの作品が2点来ているのも、興味をそそる。

ヴァン、ダイクの肖像画の前に、フランスハルスの描いた、男の肖像画がある。こちらのほうが、

絵画から、そのまま、人物が出てきてもおかしくない。

絵画を見ると、疲れるという人が多い。その迫力に圧倒され、迫りくるエネルギーの強さに、持てる力を吸い取られるのだろうか。