オルセーから、シネマ美術館

     ゴッホが自殺した街の教会

 オルセーは、誰でもが、行きたい美術館なので、いつも混んでいる。

特に週末は、凄い。

 氷るような寒さの中、チケットを買う人が、並んでいる。

こういう時は、美術館カードを持っていると,特別扱いで、予約の入り口から、早く入ることが出来る。

 4時だというのに、まだ沢山待っていて、印象派の絵画がある5階と、2階に作られた、ポスト印象派から、新印象派、ナビまでの,部屋は混雑している。

シスレー

 閉館間近と、混雑とのコンビネーションには、利点がある。

撮影禁止なので、監視人が見張っていなければならないのだが、彼らは、退屈しのぎに廊下に出て、長話し、持ち場を離れている。日本の美術館のように、真面目に、じっと持ち場に座っていない。

ドガのパステル画

 ゴッホが展示されている二部屋の監視員だけが、二人で話はしているものの、二部屋の間を歩きながら、カメラを監視している。が、それでも、混雑しているので、目が届かない。

 写真を撮りたい人は、カメラを向けている。

私も、この前は空いていて、はばかられたが、このどさくさで、少しだけ、カメラ撮影させてもらった。

ゴーギャン

ゴーギャン

 ゴッホがアルルに滞在した頃の絵画、ゴーギャンブルターニュに居た頃の絵画、という最初の部屋が、一番混んでいる。

 オルセーは、5時半になると、閉館し始めるので、私は早いめに、トイレに行った。終わって、監視員に後ろから追われて、出てくると、その頃になると、トイレに長い列が出来るから。

 そして、もう一軒、「シネマの美術館」に行くつもりだったから。

 オルセーのすぐ側に、PERの駅があるので、寒いときはありがたい。

 一旦、いつも出かける時に乗り込む駅の、フランソワ、ミテラン駅に戻り、乗り変えて,ベルシーに。

 ベルシーから5分ばかり歩く。

ベルシーは、新しく開発されてから、新しいホテルが沢山出来て、地下鉄の中で、

日本語で、「すりにご用心ください。」とアナウンスしている。

 オペラとベルシーは、日本人が多く、利用しているからだろう。

シネマ美術館は、アパートから散歩をかねて、歩いての行ける。

シネマテック、といって、名作と言われる、クラシックな映画を上映したり、特集を組んで、監督の作品を一挙上映したり、コンフェランスがありと,シネマフアンの為の、映画館、映画図書館、ミュージアムを併設している。

 ミュージアムは、毎日曜日に、朝10時から,1時頃までは、無料で開放されている。

 7時に閉館なので、あまり時間はなかったが、最後のがんばりで。

ルミエール兄弟が、映画を作ったことは、映画好きの一なら知っているし、撮影カメラについても、どこかで、少し知識を得ているけれど、実際に実物を見るには、美術館に来なければ。

フランス映画の名優達の映画の場面が、いくつかのビデオ画面で上映されているのも面白い。

メトロポリスの衣装と、映画の一場面、チャップリンの「モダンタイムズ」の場面、映画に使われた,ドレスなどの衣装と、ビデオに、映画「ココ,シャネル」

2階の特別展は、「マルセル、カルネ」、だった。

コンテや、映画作りのて手書き原稿などと共に、映画のポスターと、映画の,有名なシーンが観られる。

マルセル、カルネ、というと、「天井桟敷の人人」「北ホテル」が有名だけど、他にも、ジャンギャバンを使った作品も多い。

 北ホテルに主演している、ルイ、ジューベは、演劇の俳優で、渋い演技をする名俳優だ。

 ジャン、ギャバンの代表作は、「ぺぺル,モコ」 

フランスで、その名を馳せた男優は、日本人からみれば、ハンサムとは言えない。

ジャン、ギャバン,ジャン、ポール、ベルナルド、ド、パルデュー、彼らには共通している特徴が観られる。ずんぐり、むっくりで、団子鼻、男くさい魅力と声が良いことだ。

 フランス人の好みなんだろうな。

アラン、ドロンは、二枚目で、日本では、爆発的な人気だけど、多分フランスではそれほどではなかったかも。

 ハリウッドのクラークゲイブルも、アメリカ人には、ジョンウェインや、クラークゲーブルの方が人気で、日本で人気をあげた映画スターだった。

 今度また、ゆっくり観たいな、と思いながら、閉館で追い出された。