冬のヴエルサイユ宮殿

  

 アンバリッドのPERまで歩くのにも、疲れているのに、ヴエルサイユ宮殿に行こうと思う。

  駅で、私の持っているカードを見せて、ベルサイユまで行きたいというと、調べて、 差額1,8ユーロの紙を渡して、これをガードしていきなさい、と。

  チケットコントロールが来た時に、これを渡せばいい。滅多に来ないけれど。

 3時を過ぎていたので、ヴエルサイユ宮殿も空いているだろう。

  ヴエサイユ宮殿、何度行ったことだろうか。

 でも、中に入ったのは、3度なかりで、ほとんど庭を散歩する程度だけど。

  冬のヴエルサイユ宮殿、庭が好き、とばかりに、雪化粧の中、突風で、雪が舞う中を歩いたこともある。

  宮廷に立つと、数々の映画の場面が浮かぶ。

「 去年マリエンバードで」は、強烈な印象を残している。

 春の花盛りのヴエルサイユにお目にかかる機会がなかったけれど、ここ最近は、春にパリを訪れるので、4月、5月のベルサイユは、歩くと汗ばんで、緑と花々は美しいけれど、人がものすごく多くて、疲れすぎる。

 息子が来た時に、歩き回って、へトヘトになった。

 全部、歩いて回るのだもの。大トリアノン、小トリアノン、マリーアントワネットの田舎屋と、村まで。

 それに、得てきた知識か、一番奥の池の周りを回れるとか言って、余計に歩かされた。 健脚だと自負している私でも、根を上げていまって、むっつり泣きそう。

 引きずって歩く。草の上を探して、少しでも負担を和らげようと。

 

 私は,冬のヴエルサイユが好き。

 今日は、チケット売り場に、ほとんどいない。

 カルト、ミュゼがあるから、無料だし、すっと入ることが出来る。

 ヴエサイユは、遺産に指定される前から人が多かったけれど、観光の第一スポットなので、息子と来た時など、前に進まず、観られずで、大変だった。

 人が少ない、冬の3時以降は、お勧め。

 イノベーションで、昔よりもずっと綺麗になっているが、みられなくなっている所も。以前は、ルイ14世の、私的オペラハンスも観られた。

 セゾンで、オペラ公演が、ベルサイユ宮殿で。そこに使われているのか、どうか、わからない。

 宮殿でのパーティーに、従姉妹がよばれたことがあるらしい。

 ベルサイユ宮殿と言えば、マリーアントワネットも住まったけれど、太陽王と呼ばれた、ルイ14世のお城。

 夏の祭典、噴水の音楽、モリエールのお芝居、音楽家リュリ、ラシーヌ、などが、この宮殿で、ルイ14世を喜ばせるために、彼らの才能を開花させた。

 バレー靴を履いたルイ14世の像。

 黄金王にふさわしく、宮殿は、黄金をたっぷり使って、豪華絢爛。

 日本の、質素倹約を胸とすべし、とは、超対照的、力を金と誇張された装飾、シャンデリアが,数知れず、床から天井、壁まで、これ以上何も出来ない、という装飾ぶり。

 それに対照的なのが、シンプルで幾何学的な宮廷、庭、ジャルダンである。

 住人達は、この庭に出て、初めて、ほっとしていたのではないだろうか。

解放された,自由な気分を味わっていただろう。

 マリーアントワネットの田舎屋だって、そう。

 ヴエルサイユ宮殿は、宮殿の美しさを外から眺め、ジャルダンを眺め、そぞろ少し、歩くのが、最も贅沢なのだ。

 噴水のショーが始まる4月の中頃は、花々が美しく、彩られ、美しいけれど、

 冬の、シンプルな庭も素敵だ。