パリの空の下

  

 夜中の11時半に、やっと友人のアパートに着いた。

 空港から、タクシーに乗ろうかと考えたが、この時間なら、まだ,空港からパリに向かい人達も多いだろうと思い、列車の方が乗り慣れているので、駅に。

 確かに、空港からスーツケースを持った人も乗っているが、雰囲気はあまりよくない。

 以前に、従姉妹から、日曜日の早朝や、夜遅くに、乗るのは危険だ、とは聞いていた。

 人がいても、平気で犯罪を起こす人間が乗っているから、刺されて、持ち物を取られるの危険があるので、誰も乗らないと。

 パリの北駅までの間、乗り降りする人達があまり良くない様相なので、構えてすきを作らないように緊張しながら乗っていた。

 パリとはいえ、なんと汚いこの光景。どこが、世界で一番美しい街なんだ。

 車中で流ちょうなフランス語をしゃべって,携帯を使っている黒人をみて、フランス人なら、誰だってフランス語が話せるのは当たり前。

 フランス語を特別な言語のように思うのは愚の骨頂だ、とか思いながら、北駅まで来ると、そこで降りる人、乗って来る人が多くなった。

 シャトレで乗り変えて、14番線に。14番線は、治安は悪くないので、安心して乗れる。 若い人達が、沢山乗っている。 

 なんでこんなに荷物が重いのだろう、とひっぱっていると、ひっぱる足のふくらはぎが痛くなって、この前の肉離れを思い出した。

 筋肉の衰えなのか、ふくらはぎが硬直したようになって、医者に行くと、軽い肉離れだと言われ、使わないように言われたことがある。

 しばらくして、ちょっと良くなって、歩くとまたぶり返した。医者は、そんなに早く治るものではありませんぞ。2週間は大事にしないといません、と言われたことを思いました。

 パリに来て、明日は、玉三郎を観に行くのに、歩けないとどうしよう、と寂しくも、足をかばいながら、歩く。

 一体何しているの?空港で、ブログ書いてて、飛行機に乗れなくて、お金払って、たって、怖い思いをしながら、夜分遅くのPERに乗って,汚い街を見ながら、重い荷物をひっぱって、肉離れ?いただけない。

 もうそろそろ、日本一辺倒でも良いのではないか。気持ち良く暮らせる空間作りに没頭して、楽しみを日本の中に求めて、落ち着くことを考えよう。

 そう思いながら,アパートに着いた。

 翌朝、友人と一緒に、近くのスーパーまで歩く道、これがパリだ、と思う。

 蒼く抜けるような蒼い空。ジャンヌ,ダルク教会。

 朝、焼きたてのパンを食べさせてもらって、パリの生活が始まる。