大寒の月に

       

 1月の21日は、御大師様の誕生した日で、大寒にあたる。

 父が生まれた日であり、偶然にも、友人のご主人の誕生日でもあった。

何故、大根炊きをするのか、そういうことには一向に疎くて無知なのだけど、弘法大師を祀る、甲山大師への、大根炊きの案内が出ていた。

 今朝、一人の美しい老女が、この世を去った。とても美しい人だった。

 昨今、女性は長生きと、レッテルを貼られていることに比べれば、まだ若いけれど、随分長い間、闘病生活を耐えての,天国からのお迎えだから、やっと安らかに眠ることが出来る。

 無事に、子供達が、送ってあげられることも、良かったと思う。

 私が、若かった頃、そんな風に死者の事に思いを巡らしたことはなかった。

 父が亡くなった時にも、私はまだ、若かった。

 父は、せめてあと10年生きていたい、と言い、毎朝、医者に通い、週に2,3回はゴルフに通い、本が好きで、テレビで、野球と相撲、NHKの大河ドラマから、時代劇を好み、人生を楽しんでいた。

 家族は、父が中心となって、集まることが多く、それだけに家族関係がぎくしゃくすることも。でも、そういう頃、若く、情熱的だったと、今は懐かしく、寒々とした空間に、暖かさを感じる。

 一月に亡くなる人は多いような気がする。父は30日、祖父が31日だった。

 そして、その美しい人も、昨日。

  最近は、家族葬が多くなった。