飛行機の 中で、厚顔,色男

 

   

 ローマからワシントンまでの飛行機の中で、私の斜め前の真ん中に座っていた男の人。

 エコノミー席は、ファーーストとビジネスを通って行く。ビジネスの人達は、飛び立つ前から飲みもののサービスがある。席に,ワインか、スパークルワインか、わからないけど、特徴のある瓶が置いてあった。

 飛び立つ前に、イタリア人のアテンダントが、斜め前の男に、その一本を持って来て、あげていた。

  特別に、だと思う。親しいからか?旨いこと言ってもらたのか。顔は見えない。

 飛び立ってから,飲み物のサービスがあって、アテンダントは、言い訳のような言い方をしながら、ビール缶を渡していた。

 男が,サービスしてくれ、とでも言っているのだろう。

もうこれだけよ、と言ってるのかもしれない。

内緒なんだから、とでも。

 で、次に,食時が振る舞われた。また男は,何かアルコールを頼んだのだろう。

 アテンダントは、もうだめ、もうだめ、理由をしきりに言っている。

男は諦めたようだった。

 また、飲み物の時間、つまり、降りる前に出る飲み物の時に、男は要求しているらしい。アテンダントは、あきれた顔をして、強い口調で断っていた。

 どんな男なんだろう、興味がわいて、なんて厚かましく、しかも懲りない男もいるものだ、と。

 降りる時に見た顔は、ハンサムだった。自信家のような,恰幅の良い二枚目。

 色男、金がないのか、けちなのか、かっこ悪い男だよ。