デイトンのタウンハウス

  

 ワシントンから、オハイオまでの飛行機は、UAエクスプレス。小型の飛行機。アメリカは、自動車と飛行機がメインの交通手段のどでかい国なので、小型の飛行機が、各地にきめ細かく飛んでいる。

  窓際の席だったので、眼下に暗い闇に時折、町の光が広がりを見せている。

 どのあたりか、わからないけれど、シカゴかな、なんて勝手に想像したり。

 飛行機は、ここでも遅れて、着いたら,11時45分、荷物がでてくるまで、外で待っているだろう、息子のことが気になる。

 荷物受け取りの所で,日本語が聞こえた。現地に住んでる人のようだ。

 ホンダの工場があるので、日本人が沢山住んでいるのだろうか。

 外に出ると、すぐに息子がいて、そばに止めた車に。

 真っ新の、大きな車で、中もナビもついて、豪華な内装。

「すごい車じゃない。なんていうの?」

「カムリ。たいしたことないよ。」

 トヨタの車だ。ハイブリットにしたいと言ってたでしょ。というと、それを買いに行って、車体も軽くて、小さいので、カムリにしたらしい。アメリカは高速ばかり走るので、安定性の良い車にした方が安全だから。

 アパートに着いた。朝早いので、起こさないようにしないと。

 息子にも寝てもらって、一人、シャワーの後、ワインを何杯か飲んで寝たら、すぐに寝てしまったらしく、朝、話し声で目が覚めた。

 M さんは、ホンダに勤めるようになって、8時に会社につくように出かける。

 ミミちゃんは、スクールバスが、8時に迎えに来る。

 二人が出てから,息子は起き出して、9時に会社に入る。

  ここは、車がないと、どこにも行けない。

ベランダから

 環境はとても良くて,緑が一杯。車も自由におけるので、駐車場の心配はいらない。

  タウンハウスの2階建て。

  中は広々していて、素敵な住まい。各部屋にバスルームがあって、2LDK。

 家賃は900ドルという安さ。ニューヨークでは、何倍もするだろう。

  朝、ミミちゃんをバス亭まで送って行き、教えてもらった道を帰って来たのに、迷ってしまった。

 どうしよう、困った。歩き回って、またバスが止まるメイン道路に戻って、また道を選び治す。トヨタの白いカムリがとまっていなかったら、見つけられなかっただろう。

ミミちゃんも、道に迷って、お母さんに携帯で連絡したという。

そのために、携帯を持っている。お母さんとの連絡に,学校では禁止されているので、バッグに入れて出さないようにしているという。

 アパートにたどり着いたら、息子はもうでかける所だった。

 鍵かけられていたら、どうすることも出来なかった。

 30分も歩いて探していたことになる。寝間着の半袖をきたまま、出ていたし、鍵も持って行かなかった。

 ああ、怖いこと。

  タウンハウスの一階の人は、中庭側に、バーベキューのセットを置いているのを見ながら、バス亭まで行ったので、それが見える所と探しても、どこも同じようで、わからない。

 

 もう一つ、心配がある。彼らは,携帯を使って、連絡を取り合っているので、家に電話がない。

 ローマに行く日、タクシーをどうして呼んだらいいだろう。

   携帯電話を借りてくれば良かった。携帯がないと、困る。日本で借りて来れば良かった。私の携帯は持っていたけれど、圏外になっている。