法善寺の割烹「浅草」

  

    

 松竹座の夜の部、最後の出し物を見ていたら、9時を過ぎてしまう。

 夕食を取る時間がないので、最後の出し物はパスして、道頓堀、法善寺横町にある、ふぐの店「浅草」に。

初めての店で、法善寺横町の前にあるので、一度行きたいなあ、とは思っていた。

  http://www.houzenji-asakusa.jp/ 法善寺、浅草

 法善寺さんにお参りしてから、お品書きが、外に出ているので、見ると、75周年の記念で、

特別料金のお料理の案内だった。

 ふぐは、冬、夏場は鱧料理、この店はすっぽん料理も名物のようだ。

 特別料金というのが、魅力。 

法善寺の側にある、「さとすし半総本家」でも、夏場は鱧を売りにしているけれど、きっと随分違うのだろうな、と思っていた。

 鱧料理のコースは、10000円の所を8000円で。 隣の、さとでは鱧料理を注文したことがあるけれど、冬は、ふぐも頂くが、

 そのほど美味しい、という所まではいかない。

 値段はただ、取らないのは、百も承知しているけれど、「浅草」には、とても、と思っていたが、こんな機会には、と

 芝居小屋を出て、一目さんに、「浅草」に。

 鱧の紙鍋がついている、特別料理、というのが、5900円なので、これに決めた。

 店に入ると、二階に、と言われたけれど、友人はカウンターが好きなので、ここで、というと、ひとつだけあるテーブルに、

「ここで良いですか?」と。

 最初に、2種類のジュレと酢の物が出て、とても美味しい。これだけでお腹が持ちそう。

 肉のたたき、ピーマンの焼き物

 菊正を刻印したとっくりは、通常出てくる徳利よりも大きくて、たっぷり入っている。

 お作りが、また美味しくて、

 鱧は、二人で一皿だと思ったら、それぞれにあって、感激。紙鍋に入れると、さっと花が開き、皮の歯ごたえを残して、

 華やかな美味しさ。

 

 淡路産の鱧だそうで、さすがに、名店が出す物だけあって、高級素材を使って、料理人の腕を見せてくれる、目に美しい、

料理の数々。幸せ。

揚げ物

 カウンターの料理人さんから、説明を聞きながらの、私は、美味しい、と感心してばかり。

 揚げ物が出て、後はご飯になります、と言われるころは、もうお腹が一杯なのだけど、美味しいから、頑張って食べること。

 昔、パリの従姉妹が可愛がってもらっていた、大丸の美術部の部長だという人に、従姉妹について連れて行ってもらった

 ことのある、この辺りの割烹で「今井」という店があった。

 そこで、お土産にもらった、山椒とじゃこの甘煮、と同じような味のものが、ご飯に載っていた。

 板前さんが、スッポンの肝とコラーゲンの煮込みを、「ご飯に合うので、どうぞ。」とサービスで出してくれた。

カウンターでの食事だから、とのサービスだと言って。

 私は、スッポン、聞くと、苦手なんだけど、せっかくの好意にと、一口はいただいて、美味しかった。

 

 デザートも結構あって、食べられないと思ったのに、あっさりした甘さなので、全て食べてしまった。

 

  「皆食べてもらうのが、一番嬉しいです。」と店主。

  二階から降りて来た、客が、「ああ、美味しかった。満足させてもらいました。」と言いながら、お勘定。

  私も、大いに満足させてもらって、「また来てください、」と外まで見送ってもらって。

 この特別料金は9月末日だそう。