母の日、中之島の薔薇

   

 日曜日、母の日なので、いつもより早く、昼前に、母に会いに行った。

 ありきたりだけど、赤いカーネーションと、シャクヤクの花の入った花束。

 先日買っておいた、服と、さくら餅と柏餅を一個づつと一緒に。

  昼に梅田で待ち合わせがあって、レナウンから案内を、会場に入れに行くつもりもあって、母の所には、先に。

  母は、私の顔を見て、良く来てくれたわね、と喜んでくれて、「あなたはお母さんと住んでいるのでしょう? あなたはお母さんいるでしょ?」

 なんとなく、気が抜けるけれど、一人ではないのでしょう、という心配もして

くれている。

 私のことを忘れているのではないのだけれど、娘であるという認識はあるときと無いときと。頭の構造は複雑で、クリアーな時と、夢の中のように空想の世界にいるときと。

良く行く、やまとという酒場は、満席で、待っている人も多く、席が空きそうにないので、2割引きの券のある、近くの串カツOSに。

神戸にもある、OS系の串カツの居酒屋で、2割引きのチケットを出すと、3月までの有効期限。新しいのが来ていたのに残念。

 でも、この店は、やまとと同様、安いので、たいした割引きにはならない。

串カツは、美味しい。

 中之島の薔薇がとても綺麗だというので、レナウンの帰りに、歩いて中之島まで。

 バラ園が、花盛り。いろんな種類の薔薇が、咲き誇っていて、沢山の人が、カメラに収めている。

 ここでも、ビヤガーデンが出来ている。ドイツのビール、買うのに、随分列んでいる。 気持ち良いだろうな。薔薇を見ながら、野外のテーブルで、ビールとソーセージを食べている人達。

 平日の午前中に来ると良いらしい。朝のうちの薔薇はもっと生き生きしている。

 この時間でも、充分美しい。でも平日はこんなに人がいないから、楽しめるだろう。

 中之島の川向こうの景色を、クレパスを使って、描いている若い女性がいた。

 橋の間の少し突き出た所に、座り込んで。側に自転車が置いてある。

  随分緻密に描いていて、時間をかけて描いている絵画、とても上手だ。

  

私が、カメラに撮った、写真の風景を、緻密に根気よく描いている。

 日差しをよけて、傘をかけて。

 この辺りに住んでいる人は、中之島の公園が憩いと安らぎの場。お洒落な都会のオアシス。

 夜、ベッドに入って、テレビをつけたまま、うつらうつら、少し寝ていたのだろう。

 夜中の電話。今頃誰だろう。寝ていようかと思ったけれど、ごそごそ起きだして。

 息子からの電話。なんだか元気のない声なので、なにかあったのでは?という

 心配が先に立つ。こんな時間だからと思うけど、向こうはお昼間。

 母の日だから、と電話をしてくれたのだった。

「テレビがついているね。」受話器の向こう側まで聞こえている。

 つけたまま、寝てしまっていた。

  電話の後、、寝ようとしたら、何故か悲しくなって、静まりかえった空間の中、再びテレビをつけた。

 ボリショイのオペラ、深夜放送をベッドに座ってしばらく見ていたら、腰が痛くなって、声だけ聴きながら寝ていたら、眠気が。今度はちゃんとテレビを消して、寝てしまった。