六波羅密寺

 

   

 NHKの大河ドラマの影響は凄い。

 六波羅密寺を訪れる人が多くなっている。かくゆう私もなのだ。

 その辺り、京都に行くと、いつも通ってはいて、お参りは何度かしているのだけど、

  宝物館まで、見たことはなかった。

 大河ドラマの「平清盛」を見ていると、清盛像が見たくなった。

 平安後期、平忠盛六波羅密寺内の塔頭に軍勢を止めてより、清盛、重盛に至り広大な境域内には、権勢を誇り平家一門の館が栄え、その数5200余りにおよんだ。

寿永二年(1183)平家没落の時に、自ら火を放つて、血の海と化した、とあらためて見ると、血なまぐさい匂いがして、琵琶の響きも聞こえてきそうな気配が漂う。

空也

 宝物館の入場料は、600円、お寺は清盛ブームに、潤っている。

  この寺は、天暦5年(951)醍醐天皇第2皇子光勝空也上人により開かれた西国代7番の札所である。

重要文化財に指定された、15体の像が納められている。

 空也上人立像と、平清盛座像は言うにおよばず、運慶、湛慶座像も、名前を知る実在の人だけに、興味深い。いずれも、鎌倉時代に作られたもの。

 お墓はないのですか、と聞くと、墓はないが、塚はあります、と教えてもらった、清盛塚と列んで、阿古屋が。日本史に詳しい友人に、阿子屋って、と聞くと、地名ではない?と。

 玉三郎さんが、塚の周りを囲む石組を寄贈されている。で、思いだした。

 玉三郎さんが、最も、難しいと言っている、役所だ。見事に演じきるとの評判の高い、 演技。

 以下、抜粋

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 『壇浦兜軍記【だんのうらかぶとぐんき】』の「阿古屋琴責【あこやことぜめ】」とよばれる場面に登場する傾城【けいせい】です。傾城の中でも大役の一つで、典型的な傾城の扮装【ふんそう】である豪華【ごうか】な打掛【うちかけ】や俎板帯【まないたおび】という姿で登場します。阿古屋を演じる女方【おんながた】は、舞台【ぶたい】上で実際に琴【こと】・三味線【しゃみせん】・胡弓【こきゅう】を演奏します。しかしただ演奏するだけでなく、その時の阿古屋の心情も表現しなくてはならないため、大変難しい役とされています。

 琴、三味線、胡弓を、弾かせれば、心の動揺で、音に乱れが出るだろうという目論みに、見事に弾きこなしなしつつ、心の乱れを表現するという役所は、玉三郎さんに取っても、阿古屋の魂が、玉三郎さんに乗り移るほどの精進を必要とする所なのでしょう。

 六波羅密寺と平家一門は、古の人の心を、現代私達に引き継ぎ、魅了しているのです。

 傲る平家は久しからず、諸行無常の響き有り

誰もが、知っている、この言葉ですが、琵琶の音は、諸行無常を表現するのに、なんとふさわしい楽器であることでしょうか。