メトロポリタン美術館からマジソン通り

 

パリからニューヨークに来ると、ロンドンと同じく、経済が全ての町であるこ

ことを実感する。

パリは、どこも絵になって美しかった、と。贅沢がちりばめられていた、と。

喜びの為に、美の追究に、湯水の如く金を惜しまない町。

ロンドンやニューヨークは、金融の町、働きばちの町、合理的で、無駄という

言葉を嫌う町。

パリは、実に無駄を生き甲斐にして、あるような町。

メトロポリタン美術館に行き、日本館の、「物語りの絵巻」を見るつもりだっ

た。日本館は、今日はお休みの日で有ることを忘れていた。

どう、前にもこういう体験をしている。

聞くと、経済的な問題で、隔日に開館しているとか。

改革時の中国絵画、という展覧会をやっているので、それを見た。

墨絵と美人画。感想はない。

ガンダーラ美術、インド、ペルシャ、トルコあたり、いつも時間なくて、見な

い所をぶらぶら歩く。

月曜日がお休みなのに、火曜日は、空いている。冬場ということもあって、

美術館で働いている人の方が多い時もあるのではないかと思われるくらいガラ

ンとしている。

このあたりは特に空いている。

ブルーの色が美しい陶器。繊細なガラス細工や金細工。

各コレクターの写真と一緒に展示されていたり。

日本の陶器のコーナーがあって、江戸時代の陶器が沢山展示されている。これ

らも全て、コレクターにより寄贈だろう。

美術品に魅せられて、お金持ちが生涯を通じて、コレクションしたものは、シ

ッピングして母国に持ち帰るにも、大変な作業と労力を要したことだろう。

情熱と欲望と執念、一時的ではない持続性、想像出来ないくらいの大きさだ。

美術館を出て、マンハッタンを59通りまで歩く。マジソン街ウインドーショ

ッピングをしながら。

毛皮を着込んだマダム、お洒落な若い女性、スノッブな人達が店に入ったり、

出たり。

シャネル、グッチなどのおなじみの店や、宝石店。店の中に、案内の店員が、

客待ち顔で立っている。暇そう。

59ストリートには、ブルーミング、ディールの高級デパートがある。

ここも閑散としている。パリの混雑ぶりとは、対照的。ルイ、ビュトンに、

一人、韓国か中国か、の人が買い物していた。

トイレだけは、、混んでいた。

59から、4番線で、センチュリー21のディスカウントデパートに。

ここは、いつも満員で、ヨーロッパからも買いにやってくる。

私は、ここで、スーツケースを買ったのであります。