雪景色のパリ、美術館を歩く

 

 

絵に描かれた雪景色が好き。

その景色を、現実のものとして

見ると、まるで絵の世界を見ているよう

な美しさ。

月の第一日曜日は、美術館が無料。

友人と地下鉄を上がると、一面雪の世界

が飛び込んできた。

葉を落とした木は黒く、歩く人人も細い小さな

木のように、白と黒とのコントラストを描いている。

友人と別れて、オルセーまで、セーヌ川にそって歩いた。

寒い。

散歩させている犬は、雪の中をかける。

それも絵になっている。

こんなに素敵なパリの雪景色を見られるなんて、

思いもしなかった。

かじかむ手で、カメラのシャッターを取る。

オルセー美術館に行く前に、オーランジェリー

に行った。誰も待っていなくて、すぐに入館出来た。

モネの睡蓮の部屋は、カメラが禁止になっていて、

グヨームのコレクションも撮影禁止ではないか、と冷や冷や

しながら、目を盗んで、カメラを向けた。

堂々と、写真を撮っている、中語人のカップルがいて、監視の人は何も言わな

かったので、モネの睡蓮の部屋だけかもしれない。

オーランジョリーには、とても良い、小作品が揃っている。

マリー、ローランサンの絵画が、専用の部屋に何点かある。他の美術館ではあ

まり見ることの出来ない作家だ。

スーチンの作品も多く揃っている。セザンヌルノワール、モネなど、画商が

力をいれた作家のものはいわずもがな。

アンリ、ルソーの作品が何点かみられるのも楽しい。ユトリロの作品は、19

14年の白の時代の代表的なものが、ここにある。

ユトリロの白の時代と言われる、雪景色は、大好きな絵画の一つ。

モネも素晴らしいけれど、シスレーの絵画にも惹かれる。

4時頃に友人のアパートを訪ねると約束していたので、時間をかけずに見て、

オルセーに。

ここはいつも並んで待っているけれど、この寒さ、冷えの中でも、随分沢山の

人が待っていた。

かくゆう私も。

ロングの毛皮を着込んだ二人連れの女性達、日本のガイドブックを見ていたの

で、日本人だとわかったけれど、日本では見られない姿。パリだから?

ロシア人かな、と後ろから見て思っていたら、カイロを手に持って、寒さに限

界のご様子。

毛皮よりも、ダウンの方が暖かそう。

オルセーは、全館、撮影禁止になっていた。

展示のコーナーが変わって、ゴッホゴーギャンなどの絵画は5階から2階に

移動した。

さすが、オルセーには、ゴッホの絵画の中でも素晴らしいものがある。

アルルに滞在中の「黄色い部屋」教会の絵、糸杉、の力作が揃っている。

疲れている時に、ゴッホのエネルギーをもらって、少し元気に。

5階の印象派の部屋は満員。目が行くのはシスレーの絵画。モネの絵も優れた

ものが揃っている。

さすが、印象派の美術館。皆が一番、好む絵画の数々がオルセーにはある。

もうすっかり疲れてしまった。このあたりで、帰ることにした。無理すると、

夕食に出る余裕がなくなる。

最初に、ブラッド、ケリーでアフリカのものを見て、オーランジェリーとオル

セー、充分だ。

明日は朝早く出ていかねばならない。

今夜は、友人とモンパルナスにある「クーポール」に行く。