中国人のブランド狂い

 

明日は、日曜日なので、買い物が出来ないから、今日の内に、とデパートに。

何並んでるの?デタックス?

ではなかった。

シャネルの前に、中国人が長い列を作っている。

店に入るのに、並んでいた。

昨日も、スーツケースを中国人の観光客が全員かったのか、

リモワの毛ケースが沢山あって、それを一人が監視していた。

ガイドだろう。他に買い物に行っているのを待っている様子。

もうそんなの観ると、何も欲しくなる。

人混みも凄い。人酔いしてしまって、どれも魅力のないものにしか

見えない。

こんなに買いあさりしている人が多いのだから、めぼしいものは売り切れてし

まっている。残り福なんてないよ。

早い目に、デパートを出て、友人の部屋を簡単に掃除して、待ち合わせの時間

が来たので、従姉妹の店に出かけた。

彼女は、親友が、ご主人と展覧会を見に来て、そこで待ち合わせて、オペラに

行くことになっていた。

20年目だと従姉妹は言う。彼女がアクアスキュータムの店長を譲った女性で、

一緒に食事をしたことがある。

当時、フランス人の愛人がいて、土日だけを一緒に過ごす存在だった。

つくしつくして、彼女はついに、結婚した。

彼女は、離婚後、二人の娘を日本に残して、パリに来た。大学の教授だった彼

とどうこでどう知り合ったのかは知らない。

長い、長い辛抱の末に、結婚。従姉妹は招待されなかった。娘がいることを隠

しての結婚、結婚後に、彼女の揺るぎない地位が確保された時点で、実は娘

が、ということが知らされた。

今では、エリートの紳士は、80才、去年、腸捻転で緊急入院、即手術して以

来、奥さんの金魚の糞みたいになって、立場は完全に逆転した。

20年ぶりに会うと、すっかりフランス人になっている。

生活の保障もで出来た。一見貴婦人に見える。

彼女は、このフランスで骨を埋める覚悟だという。でもどうかな。