エッフェル塔の側にある、日仏開館で、パリ在住の画家の作品展を開催中。
従姉妹が、受付に行くから、暇だったら、と言われていて、ホテルにチェック
インをすませてから、行って見た。
この開館、来たことがある。パリの歌舞伎公演に時に、亀治郎さんの講演会
と、團十郞、海老蔵親子を招いての講演会。
今は、日本の時代劇を上演している。
昔懐かしい頃の、東映全盛期の時代劇映画、ポスターが貼ってある。
こんな所で、時代劇が、新鮮な驚きを持って受け入れられているとは。
日本人よりも、フランス人の方が観たいと思ってやってくる。
私も忘れていた映画達。父は毎日、仕事が終わると、映画を観に出かけた。
その頃、父について見にいった、映画の数々。
内容は覚えていない。あった、あった、という感じだけ。だけど、その頃の匂
いや、会場の雰囲気、人人の熱狂ぶり、映画が貧しかった日本人にどれほどの
喜びを与えてくれたことだろうか。
私が、「ニュー、シネマ、パラダイス」のことを思うと、胸が熱く、目がうる
むのは、きっと、日本のあの時代の人人の、素朴な喜びと生活が背景にあるか
らだろう。
絵画展の方は、一つ、一つ、よく見ると、力作揃いだった。
パリに来て、長い生活の中で、絵だけでは生きられなかった人人、様々に生き
る糧を得るために、極貧を体験した人も少なくない。
彼らに取って、作品は、血の滲むような命の結晶なのだろう。
作品を並列に並べる、展覧会は、周りの作品の左右される。ざっとみて、
また一つづつ、観てみると、その人の個性が輝いてくる。