映画「いそしぎ」

   最近、テレビで、懐かしい映画を見る。去年亡くなった エリザベス、テイラーの「ジャイアンツ」に続き、「いそしぎ」を見た。  何度見ても、新しい発見と、ときめきを感じさせてくれる映画と、一度見たら、見る気がしない映画がある。  お正月の特集で、「おくりびと」が視聴率が悪かったので、驚き、というフレーズをどこかで見た。番組表で知っていたけれど、この映画を一度見れば、良かったと感激するけれど、印象が強すぎて、テーマが重くて、もう一度見たいとは思わないのでは?  山田洋次が、選んだ100の家族映画の中から、黒沢明の「生きる」が上映されていた。この映画も、私に取って、もう一度、見続けることの出来ない映画の一つ。  その点、ジャイアンツや、いそしぎは、見る度に、若さが蘇って来て、ハッピーな気分になれるだけでなく、物の見方が変わっている自分に出会ったりする。  海辺に突き出た家で、絵を描いて暮らすなんて、ロマンティックな夢を抱いていた。 誰からも束縛を受けないで、自由に生きることは、私の理想だった。  自由奔放に生きたい、と夢見ながら、臆病で、自らを束縛し、平凡な生活しか出来なかった。  今もそう。だから、「いそしぎ」を見ている間は、うっとりと非現実の世界に浸って、エリザベス、テーラーに、同化現象を起こしている。    音楽は、見終わったその時から、しばらくは、耳元から離れない。    リチャード、バートンは、私の好みではなかったけれど、今見れば、結構魅力的。  二人の共演する映画は、沢山観た。その中で、私は「いそしぎ」が一番好き。