岡山のカクテルバー「samsara」

  

 「藤むら」を出て、太田さんが紹介しているバー「サムサラ」へ。

 神奈川から来た女性に、良かったら、と誘った。

  こじんまりとしたバーで、客は二人だけだった。

 白のタキシード姿のバーテンさんは、話し上手で、勧め上手、感じの良い人。

 samusara は、サンスクリット語で輪廻転生のことらしい。人は、日常の中で、意識することなく、誕生と死、想像と破壊を繰り返している、そのことを輪廻転生というのだそう。

  突き出しが、ゆっくり出て来る。自家製のケーキと、マスカット。お酒に合わないのかと思うと、そうではなく、しっくり上品で、じゃまにならなくて、美味しい。 添えてあるミントが新鮮ですごく美味しくて、ジントニックをと思ったが、モヒートを思いついて、モヒートありますか?

 モヒートに変えると、隣にいる彼女も、モヒートに。

 モヒートは、メーンの最北端で飲んだのが初めて。

 男達が、ぐいと飲み干す強い酒なのだけど、日本でも、モヒート人気が高まって、女性用のカクテルになると、繊細で、デリケットな美しい飲み物に変わってる。

 一杯では物足りなくて、ジントニックを頼んだら、氷がコップに一杯詰まって、中の飲み物は、少し。

  あまり酔わなくて、調度良いのでしょうが、バーは、料理屋に比べると、遙かに贅沢だ。料理の店と、同じくらいの金額。

  料理を食べてから、バーに行くことは、時々あるけれど、二軒になると、飲み過ぎて、酔いすぎることが多いのに、ここはさすが。そういうことも見越して、身体に心地よい程度に抑えて、美味しさも、雰囲気も味わえる程度に。

 輪廻転生とは、良い名前をつけている。料理屋で終わらないで、バーで、息を吹き返す趣向が。

 ウィスキーをストレートで飲む人には、ウィスキーの発生地など、詳しくて、説明しながら、自慢のウィスキーを、ちょっと試してみますか、と無料で出してくれるので、ついそれも注文して、飲み過ぎるかも。

 

 試しに、と言われるのは、酒飲みに取っては嬉しいことだから、気分は良くなるわね。

 支払いが、現実実を帯びないで、気前よく払える、というのも、創造と破壊?