笹倉鉄平「ちいさな絵画館」

  

 西宮北口から、歩いて15分もかからない所に、「小さな絵画館」という名の、笹倉鉄平の絵画館がある。

 民家を画廊に改装している。友人に誘われて、訪ねてみた。

 近くには公園が有り、子供達を遊ばせているお母さん達の談笑も聞こえるような、住宅街の一角。

 開館日は、土曜、日曜、祭日と、金曜日だったかしら。平日は休館になっている。

笹倉鉄平という画家は、名前は聞いたことがあったけれど、実物を見せてもらうのは初めて。世界の旅の風景を、油絵、アクリル、パステル、水彩などで、描いている。

 

 柔らかい色使いで、心が安らぐ絵画ばかり。ハッピーな人じゃないかな、と制作者を想像する。根気のいる筆遣いで、丁寧に描き上げた作品は、光をテーマにしている様に、思われた。

 夜の光は、月の光と、明るく照らされた、イルミネーションの光、木々の間からこぼれてくる、こぼれび、森を包み込むように、やわらかい太陽の光。夜の雨あがりに、濡れた地面を照り返すように、つややかに揺れる光。

 光を浴びる人々と、動物や自然を、丁寧に、一つ一つ、愛おしみながら、事細やかに描いている。

http://www.teppei.net/ 鉄平、ネット

友人の画家が、自分のアトリエを、美術館にしたい、と語っていた。自作を残して、見てもらいたいという思いは、どの画家も同じだろう。

 笹倉鉄平は、現存の活躍中の画家だけれど、こんな風に、季節を分けて、自作を、一般公開することは、鑑賞者と制作者との間に、見えない交流が出来て、とても良いことだと思う。

 普通の家なので、アットホームな雰囲気が充満していて、ソファに座って、リビングのような感覚で、絵画を楽しむことが出来る。アンケート用紙があって、次に観たい作品を、作品集の中から選んで書くようになっている。年に何回か、絵画を入れ替えて、観たい人に、見たい絵を提供出来るようになっている。

 旅の思い出を、絵画の風景の中に見いだしながら、次にこの絵画館に来る時に、私のリクエストした絵画が見られるかな、と期待も抱く。