玉三郎さんのチャリティートークショー

 

京都の南座で舞踊公演中の、玉三郎獅童さんが、舞台の終わった後の5時から、チャリティー、トークショーを開催しました。

 一階と2階は5千円、三階は2千円で、全額、被災地に寄付されます。加えて、

玉三郎さんと獅童さんが、愛用品を提供してオークションも。始まる前に、玉三郎のサイン入り、ポスターが2千円から5千円で売られていて、全て完売。

 これらのポスターは、玉三郎さんが自分用に所有していたものを含んでいて、それによって値段がつけられていました。

 舞台が上がると、二人がテーブルに座って、登場。震災時に、玉三郎さんは、パソコンをしていて、随分揺れたけれど、じっとしてた。その日のお稽古にも行き、赤坂の稽古場から、高輪の自宅まで、車で6時間かかり、帰り着いたのは、夜中の3時だった。四川地震の時には、北京のホテルで寝ていて、そのままなにもせずに寝ていたことなどを話し、獅童さんは、京都の撮影画が終わって、大阪から帰る飛行機がなくて、大阪に一晩泊まって、東京に帰って来たことなど。

 続いて、二人が9日にオークションに出す品物の紹介と、それにまつわる思い入れや、思いでの話などを交えて。

玉三郎さんの描いた鷺娘

 

 9日と16日の二回で、落札という品物は、玉三郎さん直筆の、油絵と、特注の黒茶碗。獅童さんは、シルバーのダイヤ入りのネックレスと、ブレスレット玉三郎さんは、鷺娘の10号ぐらいの油絵を描いていたのですが、顔を入れてなくて、今回、京都で手直しをしたと。

硯箱

 硯箱は、買ったときから、ふたが合わないけれど、使わないで、飾っているもの。

玉三郎さんの部屋に飾っていた、お気に入りの絵画。歌舞伎座で造った、隈取りを二枚。

獅童さんは、愛用のドクロのジャンパー、いつもかけているサングラスなど。

今日の落札者には、二人から、手渡してもらえます。

玉三郎さん愛蔵の絵画

 

 5時から30分間、二人の話と、オークションに出される品物を説明があり、50分間の休憩の間に、それぞれの箱の中に、最低落札以上の値段を入れます。

 休憩が終わると、ハゲタカの作者で、玉三郎さんと長年お付き合いの深い作家が加わり、二人に質問しながら、7時まで、40分間のトークが続きました。

 玉三郎さんは、四川でも東京のマンションでも、このまま死ぬのだったら、それでも良いと思って動かなかったそうです。

獅童さんのジャンパー

 お芝居でも、良く見せようとか、旨くやろうとか、50を過ぎてから、段々思わなくなった。この日、一日を一生懸命勤めることだけで良いと思うようになった。

 20年前から、玉三郎さんは、自分の居る部屋しか電気はつけない。テレビをつけて、他の事をしている人がいるけれど、そういうことはやめてほしい。

玉三郎さんの黒茶碗

 我慢することが苦手な玉三郎さんが、イタリアのスローフードスローライフに共鳴して、生活のスタイルは、長年続けている。

 原発を拒否しても、それを使って生活しているということを、認識しないといけない。

食の安全を大切にするのなら、スローフードを大切にすること。

急ぎすぎた生活から、立ち止まって、じっくり考えながら、ゆっくりと時間をかけて生活する時期が来たのではないか、ろうそくの灯火は、影を造って、柔らかい灯火で人々を照らす。蛍光灯で明るさに慣れてしまっている私達は、影を持たない。

獅童さんアクセサリー

影があるからこそ、人々は安らぎ、息づくことが出来る、立ち止まることも出来る。危ないなあ、と気をつけて、自分の足場を確認しながら、進んでいくことが出来るというように、3人の話は進んで行きました。

玉三郎さんは、これからの出演料は、チャリティーにするつもりだ。チャリティー公演をやっていく。東京では無理だけれど、玉三郎さんが地元の人々と復活させた、八千代座では、それが出来るので、ボランティアで出来る芝居小屋で、玉三郎さんが出来る方法で、支援を続けて行くことを宣言されている。

いつ自分の身にもふりかかっても不思議ではない「死」を自然なこととして受け入れられれば、「私欲」に惑わされることはなくなるだろう。

手元に置いている、大切な品々を、オークションに出して、被災者の支援にされている。

現金がいるので、幕間に10万円出して、私も落札額を入れたのだけど、落札出来なかった。

寄付して、玉三郎さんの所蔵品をゲットするなんて、二重の喜びだなんて、思ったけれど、所有したいとは思わないのも、年のせいだ。

惜しげもなく多額を書いた人達が落札出来たのは当然のことだ。

二階席から身を乗り出していた、若い男性が、隈取りの落札者だった。最低5万円の落札額。

 隈取りと絵の二つを落札出来たのは、3階にいる人だった。

隈取りの写真は、撮影禁止。

16日のオークションに出される品

落札者達は、花道から登場して、玉三郎さんと獅童さんから、直接手渡された。

玉三郎さんは、落札者の一人一人に、長い言葉をかけられていた。

花道の側にいたので、身近でみた玉三郎さんの優しい目が全てを語っていた。

 柔らかな表情と、靜かで穏やかな、澄みきった川面のきらめきを感じさせる。

獅童さんは、元気溌剌、エネルギー一杯で、格好良い。

私も学ぶところが多い。スローライフスローフード、イタリアは、原発を持っていない。国民投票で持たないことを決めた。

 便利が当たり前の生活から、不便が当たり前の生活へ、意識の転換期が来ている。