出会う人は皆、師だと、高橋秀樹という役者さんが、言っていました。
悪い人は、悪い人としての師、ああならないでおこうとか。大きな心を持った
人に会うと、自分も心を大きく持たねば、とか。
良い面も、悪い面も、全て出会う人は、自分の師、だと言うのです。
役者さんであるので、役作りにおいても、様々な人々から、役所も学ぶでしょ
う。
そうだな、本当にそうだ、とうなずけます。
老いていく母を見れば、私の行く末がわかります。
言われたことにこだわって、頑なな人に接すると、私もそういう性格であるこ
とに思い当たります。
こだわらないおおらかな人に出会うと、私もああなりたいな、気楽だろうな、
と。
頑固、意固地さも、生きていく上に置いて、大切なことで、独自の道を切り開
いて行くには、重要でしょうが、最近、私は、そういう性格は、道を閉ざし
て、可能性を削いでしまうこともあるのではないかもと思うのです。
それよりも、自分をニュートラルにして、出会う人、回りの人を師として、そ
こから様ざまな知恵と生き方を吸収していく方が、成長し、自分が思いもよら
なかった生き方を見いだして行けるのではないか、と遅まきながら思うので
す。
こだわりや、変なプライドは脱ぎ去って、肩を軽く、気楽になる。それが本当
の自由だと思うのです。
好きに生きているように見えて、自分が自分を何処かで縛っていては、全く自
由ではありません。
なりゆきに生きることは、一見して自主性のない生き方のように見えるけれ
ど、実は、最も自由な生き方ではないかと思うのです。