飛行機の1Kを取る為には

  

 帰りは、いつも夜中に出ていくので、冬の寒い時期にタクシーを使うと、楽だ

し、寒さ知らずでありがたい。チップを入れて、20ドルくらいだから、負担も

感じない。

6時発のサンフランシスコ行きが、始発。時間通りという案内でほっとする。

直行ではないので、サンフランシスコに到着が遅れると、大阪行きに乗れない

ということも経験済み。

冬場は、天候の関係で遅れることがしばしば。

私は天候に恵まれて、スムーズにケネディーに着き、ケネディーから飛ぶこと

が出来たが、私が、出来れば購入したかった、27日のチケットが、27万円とい

う高額でなく、安く買えていれば、ケネディ空港が大雪の為に閉鎖され、ニュ

ーヨークに入れなかった。

ケネディー空港のラウンジは、4時半にオープンする。誰もまだいない。トー

ストとコーヒー、ジュースをもらって、無料のインターネットをしていると、

すぐに、乗り込む時間が来た。

満席ではないので、早くゲートが閉まるからと30分前に、最後の乗り込み。

早く飛び立って、早くサンフランシスコに着いた。

ケネディーからサンフランシスコまでは、エコノミー全席が、前の広い、エコ

ノミープラス。ビジネス席は、国際線と同じスタイルで、後ろにおおきく倒れ

る。朝一なので、寝ている人も多い。朝からお酒を飲んでいる人はまれだ。

6時間半かかるので、国際線並の食事も出る。

 サンフランシスコについて、時間はたっぷりあるので、寿司コーナーでカリ

フォルニアロールを食べた。美味しかった。

 国際線への移動で、飛行機を撮影していたら、声をかけられた。

「良い写真が撮れました?日本の方ですか。」

そして

「ラウンジに行きましが、一緒に行きませんか?」

「私もラウンジに行きます。」と言うと

「1Kか、ゴールドですか?」と。

私はいつもUAのラウンジに入っていたので、当然そこにいくつもりだった。

彼女は、奥にシンガポール航空のラウンジがあって、そこにいつも行く。空い

ているし、おかゆも出るから、と誘われた。

私は知らなかった。シンガポールの空港で、夜通し、ラウンジにいたことがあ

って、サービスの良いラウンジだと思ったことがあった。

 私は叔母から買い物を頼まれているので、免税でそれを買ってから行くと言

うと、彼女は、シャワーを使うから、15分くらいかかる、と言った。

 買い物を済ませ、15分後に、ラウンジに入り、白ワインとサンドイッチを食

べていると、彼女が出て来た。 

彼女は、毎年、1Kを取る為に、飛行機に乗っているらしい。今回も、3泊で

ボストンに行っていた。

ボストンが好きなので、東海岸で、マイルを稼ぐのに、よく行くらしい。なん

と、彼女の旅は、前後泊は、空港にいるのだそうだ。ボストンは何度も行って

見るところがないので、空港から出ずに過ごしていたそうだ。

 空港にいると、知らない人と出会い、知り合いになって、話をしていると時

間が過ぎるそうだ。」

 空港のベンチで寝ているとか。

それではなんの為に、旅行の意味がないのでは、と思うが、彼女は、マイル

で、南米に行き、チリでスキーを楽しむ。ヨーロッパにも、マイルを使って行

く。そのために、マイルを稼ぐのは、アメリカの東海岸に年間何度も往復して

いる。

1Kを体験してから、ずっと10万マイル以上飛行機に乗って、毎年1K資格を

得ている。

なるほど、賢い考えだな。

私は去年は、ダブルマイルキャンペーンで、なんとか1Kを取り、6枚のアッ

プグレード券をもらったけれど、10万マイル乗るには、年間7回、東海岸まで

の旅行をしなければならない。

彼女は、毎月、海外に出かけているという。

おもしろい人もいるなあ、と感心。

6枚のアップグレードを使って、あとは、エコノミーで往復している。今回

は、彼女はエコノミー席なので、早く入って、空きの多い席を確保するのだ

と、先に出ていった。

手持ちのキャリーバッグにビールを何本か入れて。

以前に、ある空港で、すでに12万マイル飛んで、1Kの資格は取っているとい

っている婦人に出会ったことがあった。アメリカ中を年中旅行している人だっ

た。タフだな、それにお金がかかるだろうな、と感心していた。

そういう人がここにも、と思ったが、まさか空港で寝泊まりして、往復してい

るとは。

 マイルで行く時には、他にお金が使えるけれど、チケットを買う時には、マ

イル稼ぎが目的になる。10万マイル飛べば、20万マイルもらえる。それで、南

米に行くのだ。

南米行きのチケットは、高いからマイルを使い、安いチケットをアメリカ行き

で買う。

時間と体力が要求される。すごい、と私はただただ感心。