ダイエットには、ご用心

 

 頸椎が痛くなった。私の持病で、頸椎の5番めだか、その辺りの骨と骨の間が狭くなっていて、以前に、歩けないほど痛くなった時には、MRIを取った医者に、ヘルニアが出ていたことを、後で知らされた。このまま、ほっておけば、またあの悪夢のような痛さが、と恐ろしくなり、MRIを、その場で取ってくれる医者に行った。

 頸椎の歴史は古い。

小林の整形外科に通っていた頃、20年以上前のことだが、10年か、15年先になれば、手術しないといけなくなりますよ、と爆弾を落とされた。

その後、別の整形に。レントゲンを撮る度に、頸椎が狭くなっていることを指摘され、同じようなことを言われた。

ところが、脳外科の名医だと定評のある、医者が、MRIを取って、画像を見ながら、心配するほどのおとはないですよ、大丈夫です、と言うので、あれ、嬉しやと安心していたら、2年ほど経ってから、肩から、頸椎に来て、病院に駆け込んだ時には、受付で、順番が待てないほど痛くて、「まだですか。もう我慢出来ません。」と叫んだほど。

 ヘルニアが出ていたことを知らされた。それ以来、ヘルニア恐怖症が続いていた。首を動かさないように、真っ直ぐに、姿勢良く。痛みを誘発させた、水泳はやめて、水中を歩くだけにしていた。

血液検査で、脂肪肝だと言われて、お酒を控えて、甘いものをやめ、食べる量を制限していたら、別に、努力を要したわけでもなく、体重がどんどん落ちた。

7キロ近く、ダイエット。スマートになって、喜んでいたら、顔に皺が目立つようになり、二の腕は、ぶらぶら。

 ぎょっとしたのは、お尻だ。え、ぶらさがってんじゃないの?

うろたえた。ヒップをあげるために、後ろに足を蹴り、ビート板で、バタバタ。これは結構来る。水中を歩いているのは、楽ちんで、運動になっていないことがよくわかる。しわ伸ばしに、顔を叩き、腕の運動、足の運動、お尻の運動、ダイエットも楽じゃない。

ところが、先日、急に涼しくなった。

首が動かすと痛い。へルニアが出る前に、と医者に行き、早速MRIを取ってもらった。

やはり、5,6番目が狭いが、ヘルニアというようなものではない、と言われた。

むしろ、肩こりとか、筋肉痛でしょう。

7キロダイエットしたことを話すと、医者は、

「え、それは凄い。本を書けますよ。一体、いつ頃から始めたのですか。」問われて

6月に脂肪肝中性脂肪、アルコール性肝炎だと言われたことなど、説明した。

 『筋肉トレーニングをしながら、ダイエットしないで、食べ物だけで痩せると、筋肉が落ちて、それが、肩凝りや腰いた、首の原因になるのですよ。」

 「頸椎も悪いのですが、ぎっくり腰になって、自力で運動をして治したのですが、歩くだけならだめですか。

『首の悪い人は、腰も悪いのですよ。腹筋が良いです。

『腹筋は、私、一番嫌いで、苦手なんです。首に負担がかかるし。水泳も首に負担がかかるので。」と言と、医者は、やり方を伝授して、これなら楽に、どこでもやれます。そして、

『神経というのは、それほど柔じゃないですよ。水泳したくらいで、どうこういうことはないです。

診断の結果は、、ダイエットで、筋肉がなくなり、それで頸椎が痛くなった。肩凝りが激しいから、筋肉を和らげ、血管を広げる薬をくれた。夜は安眠、リラックス出来る薬と。

 医者は言う。

「ふっくらしているくらいのほうが、良いですよ。」

大きなお世話なんだけど、ダイエットには、ご用心。

医者は、筋肉隆々、越え気味の、しかし、顔色が悪い男である。酒だな、肝臓だな。