小沢さんを、後押ししたのは、世論ではなく、天命

 

 

 議員の大半が、次の選挙で当選できるのか、否かに判断の基準を置いている。

そういう人達の、目的は、議員になること、議員で再選されること、当選回数の次に、大臣に任命されること、最終目的は、あわよくば、総理大臣になるという夢を抱いている。

 そのような彼らを、政治家とは言えない。自己保身が目的化している。人の顔色をうかがうことが勉強で、肝心の勉強不足、頭が良く、夜遅くまで働き、家に帰れば勉強している官僚に、太刀打ち出来ない。彼らは、官僚には、都合の良い操り人形だ。

 

 玉三郎が、芸動一筋に、全人生をかけて、スペシャリストとして、体調を整え、精進しているように、政治家は、自分の全人生をかけて、政治のスペシャリストとして、勉強し、世界の動向に通じ、官僚よりも遙かに優れた知識と能力を蓄えておかねばならない。

小沢さんが政治家として、他の議員に求めるものは、厳しすぎるかもしれない。小沢さんには、当たり前の事なのだが、それは実現不可能な、理想主義に聞こえるのは、議員達の勉強不足、力量不足の為。

 地方が、自由にやれと言われても困るのは、上から指示されたことしか出来ないからだ。

親方日の丸、悪い意味での他力本願、勉強不足で、能力がない、だから自信を持って決断も、行動を起こすことも出来ない。

 

 一方、世論と呼ばれている、国民の大半は、自分の生活が大事、生活に負われて、政治討論を見る暇もなければ、関心もない。それよりも、三越がリニューアルすれば、長い列を作り、特別バーゲンにあやかるほうがずっと関心が高い。

討論会を見るよりも、他のバラエティー番組に興味がある。クイズか、美食番組、芸能界のレポート。地上波テレビ局の報道は、偏ったもので、公平性がない。

 

 テレビ番組を見ていると、韓国ドラマを流している番組の多いことには驚くばかり。

一体、誰が、このように沢山流れている韓国ドラマを見ているのか、というと、家庭の主婦だ。

 小沢さんを支持しているのは、男性で、女性の多くは、菅総理を支持している。

優しくて、連れ歩くにも、かっこよい、主人にするのなら、菅総理だそうだ。

 

 小泉さんが、常に高い支持率を保てたのは、ハンサムでかっこよく、わかりやすい言葉で、国民をひきつけたからで、80パーセントを超える支持率、それが世論であった。

 小泉ー竹中のコンビが、非難されるようになると、陰で足を引いていた悪ものとして、竹中平蔵が、矢面に立たされた。小泉さんへの、女性の支持率は落ちていない。

 

 世論というのは、恐ろしいと、つくずく思う。

流行のようなものだ。

 国の根幹をなす、政治が、国の未来を示す、羅針盤であるべき政治が、流行に左右され、それが民意だとすれば、お先真っ暗だ。

 

今回の代表選挙で、小沢さんが出て、政治家のあるべき姿が、議員達の刺激になった。

おたついていた菅総理が、小沢さんの肩を借りて、徐々に演説が変わり、政治家らしさが見られるようになった。

 どちらが代表に選ばれても、小沢さんに、もう静かにしていてください、と言える人はいなくなった、と思う。政策は感心ない、選挙と政局にしか興味ない、と非難できなくなった。口べただから、ではなく、口を出さない人であることが、証明された。

 天に恥じることなく、誠の心を持ってすれば、道は自ずと開かれる、という確固たる信念に支えられての生き様が、心ある人の心を動かしているに違いない。