MOMAで、びっくりしたなあ、もう。とんでもないパーフォーマンスに遭遇した。
日本では、今の所?美術館であっても、考えられないこと。
昔、ジョンレノンと、小野ヨーコが、平和宣言のパーフォーマンスで、長時間のベッドインを披露した時も、衝撃的だったけれど、ユーゴスラヴィア出身女性アーティスト、MORINA ABRAMONICのパーフォーマンスは、すごい。
Artist is present」というテーマで、彼女自身は、2階の会場で、座り続けている。個展開催時から、実に、667時間になる。彼女と見つめ合うのは、ボランティア。じっと見つめあう。耐えられなくなるまで、動かずに。我慢できなくなると、立ち上がる。アーティストは、座って、同じポーズを取ったままだ。
回りを囲んで、そのパーフォーマンスを見つめる鑑賞者達。
6階の、特別展では、彼女が今までにやってきた、パーフォーマンスを、ビデオで上映している他に、いくつか、他の人物を借りて、再現している。
インタビューを受ける評論家
衝撃は、そこで。全身全裸の若い女性が、杭のような物の上に、またいで、足も杭に一部乗せて、釘付けになった状態で、両手をあげたり下ろしたり、同じ動作を延々と。
すぐ前に、男が特に嬉しそうに、好奇心を持って見ている。
それだけではなかった。
次に、若い男の全裸だ。横たわって、全身骨になった人間を乗せている。横から、恋す見るに忍びない、男のシンボルが。ウワー。
人間は、屍を抱いて生きている、ということをパーフォーマンス。
彼女が、各地でやった、パーフォーマンスなので、横にビデオをながしている。
次に、二人の女性、若い女性と、老女が、これも真っ裸で、向かい合って、見つめ合っている。その間を、鑑賞者達が、順次、くぐり抜けるというパーフォーマンス。
順番待ちの列に、私も。体験、体験。
彼女は、ビデオで、他にも様々な衝撃的パフォーマンスをやっている。ユダヤ人である彼女は、裸の胸に、ダビデを星を、カミソリで刻んで行く。「堪え忍ぶ苦悶」
見ていられない。体中に、痛みが走る。
すごいパーフォーマンス。これらは、3月のはじめから、毎日、このMOMAで、開催時間中、5月末日まで、披露されている。
閉館時館がやってきた。2階で大きな拍手がわき起こっている。彼女のパーフォーマンスが、今夜も終わりに。彼女は、初めて頭を下げて、下を向いている。この忍耐、朝から、夜まで、彼女は座り続け、前に座った人と、見つめあっている。
667時間になる。