介護施設も様々

  

グループホームを重点に、施設を4カ所見学した。朝から夕方まで、見学者は全員、疲れ切った。

 宝塚にオープンする、グループホームがある。まだ実働していないので、経営母体の甲有会が経営している、施設を見学することで、内容がわかるだろう、というのが、見学の趣旨だった。

 他に、待機者が多く、人気のグループホーム、「宝塚ちどり」と、母が入院していた時に、ケアーマネージャーから勧められた、ロングライフが経営している「ラヴィアンローズ宝塚」

 有料老人ホームの斡旋所の話によると、入居金の高い所は、手厚い介護が受けられる、という。人気のトップは、ベネッセだという。 ベネッセはどこかで聞いた名前だと思ったら、グランダ、クララ、まどか、というシリーズで全国展開している。

 斡旋所の話からは、いかにも、そのベネッセの、クララという施設は良さそうに思った。

グループ毎に、階を分けて、認知症のフロワーがあって、症状にあわせて、段階的に対応が出来ているので、生涯、施設を変わることなく、世話をしてもらえるという。

 グループホームの場合、入院して1ヶ月過ぎると、出なければならないという規定になっているので、有料の老人ホームならば、そういう規定がないというのだ。

 見学してみるとグループ分けはしているが、グループホームのような、暖かさはなく、人数は、13人、4人で、デイサービスの雰囲気。

建物は、病院風の感じで暖かさを感じない。

 母の場合は、階上の、認知症の進んだ人と一緒の方が良いと言われる。ここでは、母が繰り返し同じ事を言うと、認知症ではない人で、文句を言い出す人や、馬鹿にする人もいるからと。

 グループホームでは、認知症が共同で生活するのだから、有料の老人ホームで、認知症の受け入れ体制は出来ていても、まったく異質なものだということがわかった。

 ラヴィアン、ローズは、外見はすごく良いけれど、お茶とお菓子が見学者に振る舞われ、見学後にケーキとコーヒーが。手厚い接待よりも、内部の充実を図ってほしい、という感じ。

 海外旅行などや、観劇など、イベントが多いらしいが、一見、それっていいわね、と思わされるけれど、内部の人達が活気がなく、暗い。

 宝塚ちどりは、社会福祉法人で、良いと思うが、入居の可能性は皆無に近い。月2回のオンブズマンの検査を受け入れているので、施設の改善に努める結果、良い施設になっているようだ。

 値段が安く、サービスは良く、内容も充実しているが、在宅待機で、困っている人達の多い現状。宝塚市が募集するようになっていて、母のように、現に入所していて、追い出されるという緊急もない人は、まず無理だ。

 

 最後に、豊中に本部のある、甲有会グループの、ロココというグループホームを見学した。

 グループの西宮アネシスは、アットホームで、入居者達も元気な人が多かったが、ロココでは、車椅子の人や、歩行困難な人もいる。個室には、家族が毎日来て、一緒に過ごしている人も。

 「ご主人なんです。毎日来られています。」

 宝塚にオープンする、グループホームも、甲有会の施設。西宮アネシスが、とても感じが良かったので、入居出来たら、というと、宝塚に建設中だと教えてもらっていた。見学に行くと、スタッフも感じが良く、ハードは素晴らしく、見晴らしもよく、気持ちの良い施設だけれど、坂道で、周りには何もない。

 

いろいろ廻って、結局、どこでも、パーフェクトな所はない。

 自分が入れられる場合を想定して、どこなら、入居しても良いだろうか、想像してみる。どこも入りたくはないだろうが、その中で、耐えることの出来そうな施設、それを選ぶしかない。

現在、母がいるグループホームは、家で困り切った家族にとっては、良い施設だと思う。死ぬまで看てくれる。点滴などの、医療はしないという条件では。自然死。

アットホームな雰囲気も良いし、介護士が、親切に世話をしてくれる。ご飯とトイレ以外には、ほとんど寝ている人、車椅子で、食べ物をくだいて食べさせてもらっている人、女性達は、比較的元気で仲が良い。

 リビングで、終日、寄り添って座っている。部屋は、寝るだけなのだから、と全くプライバシーというものがない。寝ているか、起きて、リビングで座っているか、そのどちらかだ。

 リビングは狭いので、見通しが良い。旨く出来ている。

けれど、この8ヶ月、母の足腰は弱り、頭の呆けが進んでいる。宝塚に出来たグループホームは、個室を、自分の家と同じように使え、グループホームの機能も充実しているようだ。

「テレビも冷蔵庫も、外泊も、家族が泊まるのも、冷暖房も、電気ポットも、自由における。補聴器の管理もしてもらえる。面会時間は10時まで。」

 それは特別なことではなく、普通のことだとは、思えないような環境の中で、母は、今、生活している。