アイスランドの噴火よりも熱い女達

 

 今日は、少し温度が低くなっている。海外から帰って来た人達の話題は、もっぱらアイスランドの噴火騒ぎ、巻き込まれた人も、運良く、逃れて、予定通り海外旅行を無事にすませた人も。

 「忙しくて、大変なの。」

聞けば、旅行から戻ると、姑さんが、倒れて入院、あわててかけつけ、それが落ち着くと、今度は、息子さんの所に、孫の世話で。

 時差ぼけで、身体を休める暇がない、病気になっていられない。

 彼女達は、双方の両親を抱えていながら、自身の楽しみも、大切に、再び訪れた、青春を謳歌している。

 男達よりも、女達の方が、遙かに、元気だ。

 彼女達の、お財布にお金をつぎ込むのは、他ならぬ、旦那様達なのだが、山の神への献上。

 「旦那と旅行しても、家にいるのと同じでしょ。おもしろくないわよ。旅行は、お友達と行く方が楽しいわ。」

 旦那はポチとお留守番、

「これが大変なのよ。留守中の食事を作っておかないと出て行けないでしょう。冷凍して、チンして食べてもらえるようにしておかないと、ものぐさで不器用なんだから。何にも出来ないのよ。ちょっと遊びに行くのに、行く前から疲れちゃう。」

 こんな風に、ぶつぶつ言いながら、年に何度も、旦那抜きで、海外旅行を楽しんでいる、主婦達がいる。

 ヨーロッパが断然、お好き。フランス、イタリア、スイス、ギリシャ、スペイン、ポルトガル、東欧から北欧まで、団体旅行で、ほぼ全ての、領域を制覇すると、エジプト、アフリカ、ソ連、など、旅への欲望に果てしがない。

 団体旅行が、安価で、いつでも商品が揃っている。

若い人達は、生活に四苦八苦しながら、氷の時代を生きている。お水の花道をたどる若い女性も多くなっている。リストラがなく、働けばお金が入ってくるから。

 

「働いたんだから、当然でしょ。」と威張っている女達は、親のお金で、大学を卒業、親が勧める、一流会社のサラリーマンと結婚して、結局、社会に出ることのなく、不満をかかえばがら、家族の犠牲になってきた、と後悔している女性達。親からの遺産も入る頃、

 海外旅行は、自己解放の手段であって、目的にもなっている。

それ故に、彼女達は、次の旅行は、どこにするのか、目を輝かせる。女友達同士は、意見がすぐに一致。

アイスランドの周辺で、また爆発が起こりそうよ。ロンドン、また閉鎖になってたんですって。」

 海外への憧れを、描き続けて、子育てをしてきたお母さん。彼らに育てられた、子供達は、海外に興味を示さない。

今年のハーバードへの留学は、たったの一人だとか。

危険な海外に行きたくない。日本の温泉が大好きで、食べ物も日本が一番。ゆっくりスローライフ、競争なんて、がらじゃない。

やるきのない子供達と、やるき満々の母親達。