寒波到来

 

寒波がやってきた。日本海側や、山沿いで、どか雪。オーストラリアから、スキー目当てにやってくる観光客には、めぐみの雪だけど、雪かきで屋根から落ちて亡くなった人も出ている。

 去年、同じように、寒波到来で、ものすごく寒い日に、思い切って、スタッドレスタイヤを買った。坂道の多い場所に住んでいるので、毎年、車の乗れない日があった。

 母を車に乗せて、有馬に行くのに、冬場は、凍結するので、スタッドレスがあればいいのにと思っていたので、4本で57000円,思い切って張りこんだ、タイヤを交換してもらうと、4本のタイヤの置き場所がいる。道路に面した車庫におくのは危険だと、庭の奥にある倉庫まで運んだ。

これが結構重い。

スタッドレスを入れると、路面に引っかかるので、ごとごと音がするような感じ。タイヤを入れ替えてから、一度も、雪道を走ることもなければ、道が凍りつく日もなかった。

3月の終わりに、タイヤの入れ替えに行き、6000円もかかった。エイコラショ。また4本のタイヤを納屋に運ぶ作業が。年取って、こんなこと、絶対に出来ないね、一人でぶつぶつつぶやきながら、作業を終えたのは、つい昨日のことのような気がする。

今年は、タイヤを変えずに、すまそうかと思っていたら、この寒さ、雪がちらつき始めた。また4本のタイヤを車に積んで、ガソリンスタンドに。

 ガソリンスタンドの作業場に、タイヤが積まれている。あわててやってきた人達の車だろう。

 タイヤの入れ替え費用は、消費税込みで、6300円かかる。年間に12600円が、身体の酷使を伴って消費されていく。

スタンドでは、

「ホイル付きのタイヤだと、1本525円なので、安くつきますよ。」という。

[買った時に、そんなこと教えてくれなかったわ。ホイルは高いのでしょう。]

「いえ、一緒に買うと、2万円プラスで買えますから、スタッドレスが3シーズン使えるので、結局安くなります。」

[重くなるのじゃない?]

「重いですよ。そりゃ。ホイルはメタルですから。」

それなら、問題外だ。タイヤだけでもへいこらなのに、持って運べるわけがない。一人暮らしは、こういうとき辛いんだよな。

車にだって、いつまで乗れるかわからないのだから。ぶつぶつ文句言いながら、タイヤを納屋に運んだ。こんな愚痴、誰にも聞いてもらえない。

ともあれ、冬装束が終わった車だから、安心して乗れるのが嬉しい。

若いころは、雪道を車で滑って、黄色い声をあげて喜んでいた。今考えると、恐ろしくてぞっとする。カナダのケベックに息子とガールフレンドと共に、車ででかけたことがあった。どか雪で、ホテルに車を止めると、30分で埋まってしまう。近所のおばさんが、シャベルを持って雪かきに来てくれた。雪をかいて、なんとか車を動かせると、夕食を食べに出かけた。

翌朝、帰り道、雪道の中、私は大丈夫なのか、と冷や冷や。アメリカンのガールフレンドは、慎重な人なのに、居眠りしている。後ろからオーバードライビングで、ワーワー言うのは、私だけ。彼女曰く

「ノープロブレム。」ニューイングランドの雪深い所に住んでいる人達には、普通のことなのだ。